日本船主協会は9月21日、日本船長協会と協力し、東京都多摩市の帝京大学小学6年生およびその保護者を対象に、海運や船員の仕事について出前授業を行ったと発表した。
同校での出前授業は昨年に続き2回目となる。
出前授業は2部構成にて行い、前半は同協会が海運全般のことを、後半は日本船長協会の船長が船や船員について話をした。
前半では、6年生向けの授業であったことから、5年生で勉強した貿易に関する内容(貿易の手段(船・飛行機)や船で運ぶ貿易量の割合、どのようなものを輸入しているかなど)をクイズ形式にて振り返りながら、船がなくなったら日常生活がどうなるかなどを説明、海運の重要性を伝えた。
また、海上輸送手段の一つとして、街中でよく目にするコンテナを紹介。児童にコンテナ型の模型を配布し、何故色が異なるのか、中に入れた消しゴム(サッカーボール/フライドポテト)をヒントに考えてもらうとともに、ドライコンテナやリーファーコンテナ以外にも、運ぶものに応じて様々なコンテナがあり、身の回りのほとんどのものをコンテナ船が運んでいることを説明した。
後半は、前半に資料を配るなどお手伝いをしていた船長がスーツ姿から制服に着替え登場。まさかの変身姿に児童だけではなく保護者も驚くとともに拍手で出迎えた。船長からは、船の大きさや船を動かすために必要な計器や設備、航海士・機関士の仕事内容や勤務体系等について、自身の経験も交えながら説明。
また、船内の過ごし方では、コックがつくる様々な国の料理を食べられること、運動器具やゲーム等の娯楽も充実していること、普段は目にできない絶景を見られることなどを紹介。児童は興味深く聞いていた。最後に、船員の仕事体験コーナーではロープワークを体験。児童は嬉々として取り組んでいた。
質疑応答では、児童から船長に「船内で一番美味しかったご飯は何?」「コンテナ船の荷役にはどれくらい時間がかかるのか?」など多くの質問が挙がり、特に、「船上で身の危険を感じたことがあるか?」へは、海賊について最近の発生事例に触れるとともに、「海のプロフェッショナルとして、危険な目にあわないように航路を選ぶなど様々な対策をしている」と伝え、船・船員の安全が確保されていることを強調した。
出前授業後には児童から「船内の生活や設備が気になった」「海運の重要性が分かった」といった感想や、教員からは「児童も真剣かつ楽しそうに話を聞いており、貴重な機会になったと思う」といったコメントが寄せられた。
同協会は引き続き、海運の重要性を広く知ってもらうための活動を展開していくとしている。