ジャパン マリンユナイテッド（JMU）は5月30日、呉事業所（広島県呉市）で建造していたWAN HAI LINES（SINGAPORE）向けの3013TEU型コンテナ船「WAN HAI 363」を引渡したと発表した。
＜WAN HAI 363＞
同船では、アジア発着やアジア域内での海上輸送量が増加していることから、中長距離の定期航路への投入を想定し、高い積載能力を確保。また、その一方で定時運航を可能とする高い航海性能も高いレベルで両立し、従来船に比べて環境性能と運航性能を著しく向上させた新船型となっている。
特長としては、最新の解析技術による低抵抗・高効率を追求した幅広最適船型と併せて、同社独自の省エネデバイス「LV-Fin」「ALV-Fin」の最適化によって従来船に比べ大幅な燃費削減を達成。また、MAN-B＆W最新デザインとなる電子制御エンジンMark10.5や冷却海水ポンプのインバーター制御の採用によって、燃費性能を向上させている。
安全面では、INS（Integrated Navigation System：統合型航海システム）と全天候型ブリッジを採用し、航海中や離着桟時の操船の利便性と安全性を向上。また、CCTVカメラシステムを装備し、航海支援・機関室内監視等による安全性向上を図っている。
環境面では、NOx Tier IIIや有害物質一覧表の保持等に適合、荷役時にディーゼル発電機の運転停止を可能とするAMP（Alternative Maritime Power：陸上電源供給システム）を搭載するなど、さまざまな環境規制に対応している。
■「WAN HAI 363」概要
全長：203.50m
幅：34.80m
深さ：16.60m
喫水：11.50m
載貨重量：3万6776トン
総トン数：3万776トン
主機関：MAN-B＆W 7S70ME-C10.5-HPSCR ディーゼル機関1基
航海速力：21.50ノット
定員：25名
船級：ABS／CR
船籍：シンガポール
