商船三井、商船三井ドライバルク、尾道造船、川崎重工業およびジャパンエンジンコーポレーションの5社は、ゼロエミッション燃料である水素を燃料とする多目的船のリスク評価を行い、日本海事協会から区画配置コンセプトに関する基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。大型低速2ストローク水素燃料エンジンを主機関として搭載する船舶に関するAiP取得は世界初となる。
<AiP証書授与式の様子 左から、尾道造船 本屋裕之 取締役/生産本部長、商船三井ドライバルク 森口輝実 取締役/常務執行役員、商船三井 杉本義彦 技術革新本部 技術部長、日本海事協会 松永昌樹 執行役員/技術本部長、川崎重工 村田英彰 理事/舶用推進ディビジョン長、ジャパンエンジン 進藤誠二 常務取締役>
同船舶は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるグリーンイノベーション基金事業の採択を受けた「舶用水素エンジンおよびMHFSの開発」の一環として、2027年度頃から2年間、実証運航を行う予定。
実証運航に先立ち、2026年度までにジャパンエンジンが大型低速2ストローク水素燃料エンジンを、川崎重工がMHFSを同船舶に搭載する。また、商船三井と商船三井ドライバルクは同船舶の船主・運航管理、尾道造船は同船舶の開発・建造を担当し、同実証運航に向けて協力を行う。
5社は日本海事協会、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所と共にPre-HAZID会議を2023年6月28-29日に開催し、舶用水素燃料タンクや燃料供給システムの区画配置コンセプトを対象に、リスクおよび今後の設計において検討すべき事項の洗い出しを完了、現在の区画配置を前提に同船舶の設計を更に進められることを確認した。
商船三井、商船三井ドライバルク、尾道造船、川崎重工およびジャパンエンジンは、同船舶の実船実証運航を通し、海運業界における GHG(温室効果ガス)削減と、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していくとしている。
商船三井ほか/風力推進補助装置を既存ケープサイズバルカーへ搭載完了