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リクルート/抜本的改善へ物流人材ニーズ高まる、2014年比で17.5倍

2024年04月24日/調査・統計

リクルートは4月24日、「物流業界の生産性向上」に関する求人と転職の動向について調査し、物流企画関連求人は2014年比17.49倍、「物流のデジタル化」に関わる求人は14.76倍に増加したと発表した。

<リクルートエージェントにおける物流関連求人の推移>
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物流領域専任コンサルタント 吉川 宗氏によると、こうした物流関連の求人増の背景には、EC市場の拡大や消費者ニーズの多様化により、物流の小口化・多頻度化が進む一方、トラックの積載率は2010年度以降、40%に満たない水準で推移していることなどがあるという。同社が展開する転職サイト「リクルートエージェント」では、運輸・配送・倉庫などを中心にサービスを展開する物流業界の企業のみならず、メーカーなどの事業主側も物流部門強化のため求人を増やしている。これには物流の仕組み自体を改善し、生産性の向上を実現するという狙いがあり、「2024年問題」で輸送能力の不足が懸念される物流業界において、企業はこれまでの常識を見直し、生産性向上のための抜本的な仕組みの改善が求められているのではないか、と分析した。

また物流企画関連求人への異職種からの転職者数についてみると、2014年比7.60倍と同職種出身者の3.71倍を大きく上回るという結果となった。

<異業種からの転職者が同業者を上回る>

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このうち「物流管理」求人への転職では、アパレルや小売りなどで販売・サービス職経験のある方の転職が目立つ。需要予測に基づく在庫管理経験や、売上などの数値管理能力が「物流管理」の業務プロセスと親和性があり、そのスキルが評価され採用されるケースが増えているという。

このほか物流とITを融合したサービスを提供する「IT・インターネット業界の物流テック」求人や、「物流業界のITエンジニア」求人も増加しており、システム開発等を請け負うSIer企業から「物流業界のITエンジニア」に転職をするケースも近年、増加している。

物流業界ではデジタル化が遅れているが、吉川氏は「単にデジタルツールを導入するだけでなく、現場でいかに浸透させるかが課題。社内のデジタル化を担うITエンジニアの採用も重要だが、彼らが働きたいと思える環境づくりや業界全体での最適化も必要だ」と指摘している。

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