商船三井は5月15日、同社が保有・運航する世界初のウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載石炭輸送船 「松風丸」(しょうふうまる)で、2022年から実航海で性能検証を行い、1日最大17%の燃料節減効果を確認したと発表した。
ウインドチャレンジャーは商船三井と大島造船所が中心となって開発を進めてきた、伸縮可能な帆(硬翼帆)により風力エネルギーを船の推進力に変換する装置。この装置を船舶に搭載することで航行燃料の削減が可能となるため、環境負荷の低減と経済性の向上が期待できる。
<帆を稼働して航海中のウインドチャレンジャー搭載石炭船「松風丸」>
「松風丸」は2022年10月の竣工時から約18か月、東北電力向けの専用船として、主にオーストラリアやインドネシア、北米等から日本向けの往復計7航海の石炭輸送に従事し、ウインドチャレンジャーの性能検証を行った。
この結果、ウンドチャレンジャー帆が自動制御モードで運用されている状態で、1日で最大17%、1航海の平均では5%~8%の燃料節減効果があることが確認された。
商船三井グループは、ウインドチャレンジャーをはじめ風力推進技術を組み合わせた環境対応船隊の安全な管理・効率運航を通じ運用技術を蓄積してきた。今後さらに高度化し、安全を確保しながら自然エネルギーを活用し、社会全体の低・脱炭素化に貢献してくとしている。
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