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JILS/物流業界で働く女性たちが集結、活躍推進へ初イベント

2024年07月19日/SCM・経営

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日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は7月19日、都内で物流・ロジスティクス業界での女性活躍推進と事業成長について語り合うイベント「Logistics Women’s Hub」を初開催した。

人手不足が深刻化し人材確保に多様性が求められるなか、ダイバーシティな働き方の第一歩として女性の活用にスポットを当てた。コクヨロジテム未来戦略企画室長の山本紗代美さんの発案により実現した企画で、オンラインと会場で物流事業に携わる女性や経営層、人事担当者ら約350人が参加した。

<イベントの様子>
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イベントは3部構成で、第1部はJILSの遠藤直也 専任部長がファシリテーターを務め、「経営から見た女性活躍推進による意識や働き方の変革」と題しパネルディスカッションが行われた。パネラーにはコクヨロジテムの山本室長をはじめ、前バンダイロジパルの弓野理恵会長、クボタロジスティクスの深井誠社長が登壇した。

物流・ロジスティクス業界の印象について、弓野さんは「配属当時、女性管理職は一人だけ。物流現場では男女共用のトイレなど環境面も整っていなかった。社会に昭和の雰囲気が残っており、女性は正社員というよりパート、家庭を支えるという固定概念があった」と振り返る。

クボタロジスティクスの深井さんは経営者の立場から「物流は製造業に比べて、女性との親和性が非常に高いという印象を持っているが、やはり昭和の香りがしみついている。年齢や性別などのアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を何とかしていかなくてはいけない」と問題提起した。

<左からクボタロジスティクス深井さん、コクヨロジテム山本さん>
0719jils3 - JILS/物流業界で働く女性たちが集結、活躍推進へ初イベント

山本さんは女性活躍推進の活動を始めたきっかけとして、本社で女性だけに課せられた「お茶くみ当番」を紹介。「ボトルネックは何か、まずは企業理念を整理することを経営層に提案し取り組んできた」という。

このほか具体的な施策として、バンダイロジパルでは女性を含む若手管理職を育成するため人事部を巻き込み、社内に「ロジパルアカデミー」を設置。また在宅勤務や子育て給付金など働き方改革を推進し、女性の管理職比率はマネージャー以上で27%となったという。

これからの課題としてクボタロジスティクスの深井社長は「ダイバーシティって何?という時代が早くくればいいと思う。そのために経営層ができることは、環境や条件を整えること。女性にやさしい労働環境は男性にもやさしい。その仕組みをつくり背中を押す人を育成することで一歩踏み出せるのでは」と、経営層が取り組むべき指針を述べた。

第2部は物流現場で働く女性を招いてのインタビュー。アサヒロジ北海道・東北支社でフォークリフトオペレーターとして活躍する柄木田美結さんと川口紅葉さん、コクヨロジテムで初の女性所長となった岡山配送センターの藤田美貴子さんが登壇し、リアルな声から女性活躍のヒントを探った。

<物流現場で働く女性にインタビュー>
0719jils1 - JILS/物流業界で働く女性たちが集結、活躍推進へ初イベント

このなかで「女性が活躍するとはどんな状態か」との質問に対し「女性管理職の人が多くいる状態」「女性が活躍しているかどうか意識しなくなった時。女性でも男性でも言いたいことが言えて、のびのび働ける状態」と回答。また、働いていく上で最も大切なこととして「福利厚生面の充実」を挙げ、「今後子どもを持ったときに両立できる環境整備」「年齢や環境によって働きたい環境で働ける選択肢が多い会社が魅力」などの意見があった。

このほか「重い商品を持つ時に代わろうか、と言われると男性より仕事の幅が限られていると感じる」「女性だからマイナスではなくプラスにとらえることが大事。マイナスとプラスは表裏一体でどちらにも転ぶ。女性管理職について評価する会社とそうでない会社と二極化していて、若い世代の方があまり抵抗がないのでは」などの声も。

山本さんはこうした女性たちの声を受け、「会社が本気で取り組むのであれば今一度、自社にとってどういう状態が女性活躍推進なのかを考え定義してほしい。それは各社それぞれだが、このイベントがハブとなり今日がそのスタートになれば」と締めくくった。第3部では名刺交換を含む交流会も行われ、盛況となった。

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