TOYOROBOは、千葉県習志野市の物流施設「Landport習志野」内の「習志野Techrum Hub(テクラムハブ)」にて、ショールーム「Fusion Stride Space(フュージョンストライドスペース)」を公開した。
「習志野テクラムハブ」は、野村不動産が推進する物流DXのための企業間共創プログラム「テクラム」の効果検証拠点。今回TOYOROBOはこの施設に、床面積約800m2、6エリア・ロボット10台で構築された新たな拠点を設置した。
拠点では、複数のロボットを組み合わせて展示し、パレットハンドリングとケースハンドリングを提案、全体最適を求めるベンダーをサポートできる体制を準備している。また、各種機材を別個で導入することも可能で、入庫から出庫までの区間のうち、部分最適を求める声にも対応可能だ。
<倉庫棚から複数の機器を通してトラックバースまで運搬する様子>
搬出のデモンストレーションでは、倉庫棚に並ぶ商品を運び出して検品、パレットに積み替えて運搬する様子が行われた。なお、この際に人の手が介在するのは、検品時のみだ。
AGVの連続稼働時間は約6時間、バッテリーマネジメントシステム(BMS)を搭載しており、電池残量に応じて自動で充電を行う。
荷物がパレットに載った状態でトラックバース手前まで運ばれると、そこからは自動フォークリフトで運搬、横のパレット搬送ロボットで保管される。
<自律型ケースハンドリングロボット(ACR)とコンベアを併用した検品の様子>
複数の機器を併用することで、カスタマイズも可能。ACRの耐荷重はケース一つにつきカスタマイズ次第で50kg程度だが、実際にケースの大きさから想定している荷重は30kgほどになっているという。拡張機能として、秤量器を設定することなども可能だ。
現地では概念実証(PoC)も可能であり、どのソリューション運用が適切なのか試せる。相談する企業の商材や現場の環境に応じて、使用する機器を実際に扱った上で導入を検討できるという。
新井CEOはサービスの在り方について「『垂直立ち上げ・安定稼働』をモットーに掲げている。海外メーカーの製品は、購入後のアフターサービスで連携が取れない例がみられるので、TOYOROBOで輸入して提供する機器は、そうしたことがないよう現地エンジニアとの徹底した交流を意識している。自動化は、今後持続的にサポートできる環境が重要」と語った。
また、顧客の課題に対し、輸入品から適切なソリューションを提供することについて「ローカライズとは日本語化だけでなく、日本の運用提案に合わせた提供をすること。機械の使い方が、本当に顧客の求めるものになっているのかを考えることが重要」と述べた。
習志野テクラムハブにおけるTOYOROBOの展示「フュージョンストライドスペース」の一般案内は、7月1日より開始予定だ。7月中旬には、新たな製品展示の導入も計画している。
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