アマゾンは8月7日、ラストワンマイル配送とドライバーの働き方に関わる施策の拡大に、従来の投資額に追加して2024年はさらに250億円以上を投資すると発表した。
同日開催した第10回Amazon Academyでジャスパー・チャン アマゾンジャパン社長は、「アマゾンはこの数年間、物流・配送ネットワークの構築に毎年、数千億円以上の投資をしてきている。2024年は追加投資によってラストワンマイル配送ネットワークの構築を強化したい。インフラの拡大を加速させ、再配達を削減し、ドライバーの働き方を向上させることが目的だ」と方針を語った。
具体的には、配送ネットワークの拡大、ドライバーのウェルビーイング向上と安全対策、再配達の削減、配送プログラムの拡大の4つを重点分野として投資を行う。
配送ネットワークの拡大では、8月5日から航空輸送を活用した北海道への翌日配送を始めており、これで47都道府県すべてで700万点以上の商品が翌日に届けられるようになった。現在、アマゾンでは全国に50か所以上のデリバリーステーションを設けているが、置き配を拡大して再配達を削減するなどし、顧客の利便性とドライバーの負担軽減をはかっていきたいという。
またドライバーの安全を最優先事項として、特に個人事業主として商品を配達するAmazon Flexの配送パートナーに対し、滑りにくいスニーカーや両手を空けられる必需品入れ用のポーチ、夜間作業用のヘッドランプを提供。夏季は水分補給用に、無料でドリンクと引き換えられるクーポンの配布などを行う。
再配達の削減策では、全国でAmazonの商品の置き配利用率は80%以上に達しており、4000台以上のAmazonロッカーを設置するなど取り組んでいる。ドライバーが配送アプリから顧客のマンションのオートロックを解除して商品を届けるAmazon Keyのサービスに登録するマンション数を増やすなど、さらにサービス利用可能な場所や地域を拡大していく姿勢。
配送プログラムの拡大としては、新たなデリバリーステーションの開設に伴い、Amazon Flex、Amazon Hubデリバリーのほか、デリバリーサービスパートナーとして、物流経験がない人でも起業家としてスタートできるような新たな支援プログラムを開始する予定だ。