川崎汽船は6月17日、子会社の“K” LINE ENERGY SHIPPING (UK)と海洋サービス事業者Yinson Productionが、浮体式液化CO2貯蔵・圧入ユニット(FSIU)および液化CO2輸送船の共同開発について覚書を締結したと発表した。
主に欧州域で開発が進められているCO2回収貯留(CCS)プロジェクトに関し、共同で案件を推進していくことが目的。
CCSプロジェクトでは、陸上CO2受入基地の用地確保が難しい場合や、受入基地から貯留地までの距離が長くパイプラインの延長が必要な場合など、洋上で液化CO2を貯蔵・圧入できるFSIUが有望な選択肢となる。
Yinsonは、浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)、浮体式石油・ガス貯蔵積出設備(FSO)を運営しており、幅広い専門知識を持っている。
また川崎汽船グループは、液化ガス輸送船の保有、運航、管理において実績があり、2024年以降、“K”LINE ENERGY SHIPPING は世界初の本格的なCCSプロジェクトに従事する液化CO2輸送船2隻の船舶管理を行っている。
FPSOとFSIUはどちらも「浮体式」で共通点が多いことから、それぞれの実績と知見を活用しようと合意に至ったもの。
陸上で回収されたCO2を液化CO2輸送船でFSIUまで輸送し、FSIUから海底の地下貯留層に圧入。CCSプロジェクトにおけるバリューチェーンのうち液化CO2の輸送と圧入を一体化してソリューション提供することで、脱炭素化社会の実現につなげる。
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