石川島播磨重工業は1月20日、同社の関係会社であるアイ・エイチ・アイ・マリンが、高齢船舶の延命対策として「超音波ピーニング」施工を受注し工事を実施したと発表した。
従来、就航船に亀裂損傷が生じた場合、再溶接あるいは部材の部分的切替が必要となるほか、火気工事となるため施工できる場所が限られるなど、多くの問題があった。
今回採用した「超音波ピーニング」は、損傷発生の可能性が高い箇所に、火気を使わず短時間で亀裂損傷に対する予防処置ができる画期的な方法。
「超音波ピーニング」は、超音波振動によりピンを連続的に溶接部に打ち付けることにより、該当部の疲労強度を改善する技術。
この「超音波ピーニング」技術を、年月を経た就航船に適用する場合、それまでに受けてきた荷重変動の履歴による金属疲労の蓄積を一旦リセットし、疲労強度上は新造時の強度レベルまで戻すことができることから、非常に大きな延命効果を発揮する、としている。