三井不動産は5月21日、ロジスティクス事業の説明会で新しいコンセプトである「街づくり型物流施設」の開発を説明した。
「街づくり型物流施設」とは交通の便が良く、物流ポテンシャルも高く、周辺人口も多い中での物流施設開発で、周辺エリア全体の活性化に貢献する施設開発を指す。その一例として、南船橋駅近くの「MFLP船橋」の開発を挙げる。
南船橋駅周辺は長く三井不動産が「ららぽーとTOKYO-BAY」などの商業施設開発をしてきた場所だ。現在、MFLP船橋Ⅰは竣工し満床稼働中だが、隣に「MFLP船橋II」を2018年2月着工、2019年10月竣工を目指して建設中。さらに、2020年春着工、2021年秋竣工予定の「MFLP船橋III」の開発を控えている。
今後、3棟の物流施設を持つエリアとなるが、南船橋駅から徒歩8分、ICも近接しているだけに、近くには「ららぽーと」や「IKEA」、さらにはマンション群が立地する。そのため、誰でも利用できる緑地スペースを物流施設前に作り、合わせて専門ソリューション提案のために「MFLP ICT LABO 2.0」が入居するゲート棟を建設している。
ゲート棟には、保育施設やカフェテリア、ストレージサービス、宅配ボックスなどの共用施設などを検討している。
「MFLP船橋Ⅰ」の竣工で約1200人の雇用を創出したが、MFLP船橋II、IIIの竣工で最終的に約4000人の雇用を創出する見込みだ。
<三井不動産インダストリアルパーク羽田の外観イメージパース>
また、2018年3月に着工し、2019年6月の竣工を目指している「三井不動産インダストリアルパーク羽田」(MFIP羽田では、物流用途に限定されない産業活性化に資する施設として開発する。さまざまな用途に対応する複合型施設として、ロジスティクスのみならず、オフィスや大田区の産業支援施設としても利用できる予定だ。さらに、施設周辺には桜並木による緑道空間の整備を行い、周辺環境にも配慮した開発を行っている。
敷地内にはANAホールディングスによるトレーニングセンターを計画し、緑道および歩行者空間の整備や大田区の産業に資する施設の誘致も予定している。
三井不動産常務執行役員の三木孝行ロジスティクス本部長は「事業ステートメントである『ともに、つなぐ。ともに、うみだす。』のもと、3PLやEコマースの成長を背景に、物流施設へのニーズも多様化している中、より先進的な物流施設の開発を進めている。その一つが、『街づくり型開発プロジェクト』。このうち、『街づくり型物流施設』は現在、船橋と羽田で開発を進めているが、まさに次世代のロジスティクスパークを実現するもの。商業施設やオフィス、住宅等を開発する総合ディベロッパーならではの展開だと考えている」と話した。
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