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日立製作所、日本油脂/爆発物探知システムの共同開発で合意

2001年08月20日/未分類

(株)日立製作所と日本油脂(株)は、このたび、採取した空気中の爆薬成分を瞬時に検出することができる爆発物探知システムについて共同開発することで合意した。
両社は、日立の持つ分析技術やシステムノウハウと日本油脂の持つ爆薬、火薬に関するノウハウを組合せることにより、爆薬探知システムの事業化に向けて、データベースの作成や爆発物探知後の無害化処理情報提供システムの開発などを行う。
さらに、今後、爆発物の探知から安全な処理までを行うセキュリティーサービスビジネスの事業化についても検討する。
空港や税関、発電所などの重要施設では、セキュリティの向上を目的として、危険物探知のため、荷物や身体の検査が行われている。
近年、凶悪テロなどの防御対策として、従来方式であるX線を用いて物体の形状から不審物を探知する「バルク検出法」に加えて、空気中から爆薬成分の蒸気を検出し、化学分析から爆薬の有無や種類を判定する「トレース法」を併用して高精度に危険物を探知するスタイルが、欧米を中心に広まりつつある。
しかし、爆弾の主成分であるヘキソーゲンやペンスリットの検出は、一般的な爆薬であるトリニトロトルエン等に比べて、蒸気圧が非常に低く常温では空気中にごく微量の成分しか存在しないことから、前処理が必要であり、探知に時間がかかるといった問題があった。
こうした問題を解決するため、日立は、2000年3月に、従来検出が難しかった爆弾の主成分を、リアルタイムで検出できる世界最高感度の爆発物探知技術を開発。本技術は、特定のガス成分を高効率でイオン化し、その成分を高感度で質量分析することで、常温では空気中にごく微量しか存在しない爆薬成分も、濃縮や加熱といった前処理を行うことなく吸引した空気中から直接検出、成分を特定することが可能になっている。
このため、空港や税関、重要施設など、多量の手荷物、人体、郵便物を高速で検査しなければならない場所でのセキュリティの向上を図ることができる技術として注目されている。
今回の合意により、両社は、日立の持つ爆発物探知技術やシステムノウハウと、日本油脂の持つダイナマイトに代表される産業用爆薬から、宇宙用ロケットの推進薬や防衛庁向けの最先端火薬類等の幅広い火薬類、電気雷管などの火工品に関する製品技術と評価技術を組み合わせて、実際の使用環境に合わせた爆発物探知システムの実用化を図る。
また、両社は、火薬類の劣化診断技術の開発や日本油脂の子会社が持つ火薬類の廃棄技術を組み合わせた爆発物の探知から安全化処理までの一貫したセキュリティーサービス事業についても検討していく。
なお、爆発物探知技術は、最先端の爆発物研究を行っている警察庁科学警察研究所と連携を取りながら、開発を進めていく。

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