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経済産業省 /石油化学製品の物流及び物流を巡る商慣行を調査

2001年12月24日/未分類

経済産業省は、主要石油化学製品(樹脂、化成品、合成ゴム)の物流費(平成12年度)及び四大樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)の物流に係る商慣行について、石油化学工業協会加盟31社を対象に調査を行った(四大樹脂の商慣行調査は18社を対象)。
主要石油化学製品の詳細については以下のとおり。
樹  脂:低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチン (4品目)
化成品:ベンゼン、トルエン、キシレン、パラキシレン、スチレンモノマー、フノール、アセトン、ブタノール、エチレングリコール、アクリロニトリル、酢酸、アセトアルデヒド (12品目)
合成ゴム:ソリッド、ラテックス (2品目)
 
物流費
(1)主要石油化学製品全体
平成12年度の主要石油化学製品の物流費の総額は、1 576億円(対前年度比4.9%減)であった。内訳としては、販売物流費1 145億円、工場物流費418億円、調達物流費13億円となっている。
前年度と比較すると、物流合理化によるコスト削減で▲32億円、物流料金改定による単価ダウンで▲10億円だったことに加えて、物流費を伴う販売量の減少により、総額としては▲82億円となった。
また、売上高に対する物流費比率は、樹脂、化成品、合成ゴムのすべてにおいて減少したことにより、調査対象製品の平成12年度売上高(18,189億円)に占める物流費の割合は8.7%と前年度と比較すると1.0ポイント減少し、我が国製造業の売上高物流コスト比率の平均6.26%(注)に比較すると依然高い水準ではあるものの格差は縮小した。
 
(注)出典:「2000年度業種別物流コスト実態調査」((社)日本ロジスティクスシステム協会)
(単位:億円(対前年度比%))
 
(2)樹脂
物流費総額は1 113億円で、前年度と比較すると、直送効率アップ・工場物流費の改善等による物流合理化(▲20億円)及び物流料金改定(▲5億円)によるコスト低減が図られたこと等により27億円の減少(対前年度比▲2.4%)となった。
また、販売数量は707万トン(対前年度比▲1.4%)と減少し、1トン当たりの物流費もわずかながら減少(▲1.0%)している。
なお、売上高に占める物流費比率は前年度と比較して0.9ポイントダウンして12.6%となった。
    
(3)化成品
物流費総額は249億円で、前年度と比較すると、輸送手段の変更・工場物流費の改善等の物流合理化(▲2億円)、物流料金改定による単価ダウン(▲2億円)等によるほか、販売数量が減少したことから32億円の減少(対前年度比▲11.5%)となった。
また、販売数量は511万トン(対前年度比▲8.8%)と減少し、1トン当たりの物流費も減少(▲3.0%)している。
なお、売上高に占める物流費比率は前年度と比較して1.1ポイントダウンして3.6%となった。
 
(4)合成ゴム
物流費総額は、215億円で、前年度と比較すると、輸送手段の変更・保管効率化等の物流合理化(▲10億円)、物流料金改定による単価ダウン(▲2億円)等によるほか、販売数量が減少したことから23億円の減少(対前年度比▲9.5%)となった。
また、販売数量は141万トン(対前年度比▲7.2%)と減少し、1トン当たりの物流費も減少(▲2.5%)している。
なお、売上高に占める物流費比率は前年度と比較して0.4ポイントダウンして8.4%となった。
 
四大樹脂の物流に係る商慣行
(1)小口多頻度納入
一回当たりのオーダーロットが1トンに満たない小ロットオーダーについては、高密度ポリエチレン及びポリプロピレンでは減少したものの、低密度ポリエチレン及びポリスチレンでは増加しており、全納入件数に占める割合は27.1%と前回調査並となった。
また、総出荷量に占めるウェイトは2.3%となっている。
同一ユーザーに対し月4回以上配送する多頻度納入は、対総出荷件数比で73.5%(前回調査74.0%)とあまり改善が見られず、引き続き顧客への納期集約の協力要請や他製品との積合わせ等による納入回数の削減努力が必要である。
 
 
(2)標準外オーダー
「出荷前日の12時」までの標準的なオーダーは、件数比で83.5%(前回調査82.5%)、数量比では85.6%(前回調査85.4%)と前回並だが、件数比では昨年の悪化から好転し1.0ポイント改善している。
上記以外は「標準外オーダー」で、このうち、配車組み替えや緊急配車等が必要となり、特に物流コストの増加要因につながる「前日の15時以降及び当日」のオーダーが件数べースで7.2%(前回調査7.8%)と減少している。
 
(3)納入時の制約要件
全納入件数に対して、何らかの制約条件を伴う納入は45.7%(前回調査47.6%)となっており、絶対件数においては前年並みとなっている。制約条件を個別に見ると、時間指定が全体の約半数を占め、以下、荷役作業等特別注文、車種指定、看板納入の順となっている。
 
(4)特殊取引に係る増加コスト試算
以上のような「特殊取引」に伴う増加コストを試算したところ、四大樹脂全体で、年間約93億円(前回調査約101億円)に上り、国内樹脂販売物流費総額670億円の13.9%相当となっている。
 
 
4.今後に向けて
今回の調査結果では、樹脂、化成品、合成ゴムのすべてにおいて販売量が減少したものの、原油価格の高騰による販売価格の上昇により売上高は増加したが、合理化努力等により売上高に対する物流費の比率はいずれも減少した。しかし依然として我が国製造業の平均と比べて高水準であり、更なる取組、改善が望まれる。
 
四大樹脂の物流に係る商慣行については、全納入件数及び全納入数量が減少しており、「小口納入」、「受注時期」、「制約条件」についても僅かながら改善されている。しかしながら、これら特殊取引に伴う増加コストは輸送コストを引き上げる要因となっており、今回調査で減少した大口納入の拡大による輸送の効率化をはじめ、多頻度納入、標準外オーダー等についてもさらに改善が望まれる。 
 
 

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