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東京工業大学、東芝、東京商工リサーチ、富士通/ XBRLとXML Webサービスを用いた開放型与信情報サプライチェーン共同実験

2002年06月23日/未分類

東京工業大学(以下:東工大)、(株)東芝、(株)東京商工リサーチ、富士通(株)はXBRLとXML Web サービスを活用した「与信情報サプライチェーン」の実証実験システムを共同開発し、東工大のWebサイト(http://www.craft.titech.ac.jp)で公開している。
与信情報サプライチェーンとは、取引先企業の与信管理に必要な財務情報の「提供」、「加工」、「評価」といった専門サプライヤーが提供するサービスと、ユーザ企業の与信管理システムをインターネット介して直接結びつける仕組み。
本実証実験では、財務情報はXMLベースの国際標準言語であるXBRLを用いて記述し、各サービスはXML Webサービスとして提供。情報の標準インターフェイス(XBRL)と通信の標準インターフェイス(XML Webサービス)を用いることにより、ユーザ企業は各サービスを必要に応じて連携させた高度な与信管理システムを容易に構築することができる。
財務情報の提供から加工、評価、利用までの一連のサプライチェーンをXBRLとXML Webサービスを用いて構築し、実証実験レベルで示したのは世界初。
昨今の倒産被害の増加を受け(2001年度の倒産負債総額は16兆5196億円で戦後2番目(東京商工リサーチ調べ)、企業の与信管理のニーズが高まっている。しかし、与信管理システムの導入には財務情報の入力・加工機能や信用リスク評価機能などの専門性を要する開発および継続的な保守が必要であり、金融機関や大手商社以外の一般企業では十分なシステム化が進んでいない。
例えば、取引先の財務情報を紙で入手した場合、従来は専用の文字読み取り装置でシステムに読み込む必要があり、信用リスク評価機能は、毎年モデルを更新する必要があった。これらをすべて自社で開発運用する場合は、数億円規模の投資が必要となる。
実証実験の特徴
本実証実験では、XMLベースの財務情報の国際標準言語であるXBRLを採用するとともに、「XBRLによる財務情報の提供(東京商工リサーチ)」、「XBRL財務情報の加工(富士通)」、「財務情報に基づく信用リスク評価(東芝)」、などの与信管理システムに必要な専門機能をインターネット上のXML Web サービスとして各参加企業が提供し、それらを利用・連携することにより高度な与信管理システムを容易に構築できることを示した。
XML Web サービスのプロトコルにはSOAPを採用。XBRLとXML Web サービスを用いた与信情報サプライチェーンを実証実験レベルで示したのは世界で初めて。
今後の展開/事業化の時期
現在、XBRLはオーストラリア等の海外の公的機関で採用が進んでおり、日本でも2003年度に一部機関で導入が進み、2004年度には財務情報の提供者(公的機関、民間信用調査機関等)と利用者(与信管理システム、会計システム等)の共有情報基盤になると予想されている(市場規模推定100億円)。
本実証実験の参加企業は日本におけるXBRL標準化推進団体であるXBRL Japanの主要メンバーでもあり、XBRLの普及状況を見ながら2003年度以降にXML Webサービスなどとして順次商用公開する予定。与信情報サプライチェーンはXML Webサービスのもっとも有望な適用分野としても期待されている。
補足
XBRL (eXtensible Business Reporting Language)=各種報告用の財務情報を作成・流通・利用できるように標準化されたXMLベースの言語である。XBRL仕様により、ソフトウェアやプラットフォームに関係なく、電子的な財務情報の作成・流通・再利用が可能になる。財務情報にかかわる関係者(公開会社、非公開会社、会計専門家(監査人)、アナリスト、投資家、資本市場関係者、ソフトウェアベンダー、信用情報提供会社、政府)にとってシステム開発のコスト削減や利便性の向上等の効果がある。世界では、XBRLインターナショナルInc(http://www.xbrl.org)が推進しており、日本ではXBRL Japan(http://www.xbrl-jp.org)が開発、普及活動を行っている。今年秋にはXBRL国際会議が東京で開催される。
XML Webサービス=インターネットプロトコル上で利用可能なサービス・コンポーネントの総称である。通常のWebページでは、Webブラウザに表示するための言語であるHTMLを用いて、人間に対してサービスを提供していた。これに対して、XML Webサービスでは、データ記述言語であるXMLで記述されたメッセージをSOAP(注)プロトコルにより、人間を介することなく、システム間で直接サービスを提供できる。また様々なWebサービスを組み図表示サービス、レンタカー予約サービス、気象情報サービスなどを組み合わせ、新たなドライブプラン作成サービスといったようなサービスを提供することが可能になる。日本でも、今年になってWebサービスを用いた商用システムが登場してきたが、本格的普及はこれから。XBRLを用いた与信情報サプライチェーンシステムは、Webサービスのキラーアプリケーションとして期待されている。
SOAP (Simple Object Access Protocol) =XMLとHTTPなどをベースとした、他のコンピュータにあるデータやサービスを呼び出すためのプロトコル(通信規約)。 標準化団体W3Cにて策定。
CRAFTスコアリング法=東芝と東京工業大学理財工学研究センター(CRAFT)が共同開発した信用リスク評価モデル構築手法。与えられた財務情報データベースを原材料として、データマイニングにより倒産確率を算出するモデルの構築手順を示している。CRAFTスコアリング法は以下の3つの特長を持つ。
XBRL Japan=XBRL Internationalが開発したXBRLに関するタクソノミー(用語体系)の日本語版の開発、普及などを目的として、平成13年4月に設立された。日本公認会計士協会をはじめ、財務情報サプライチェーンに関係する有力企業・団体が幅広く会員として参加しており、日本におけるXBRLの普及、日本の財務情報のためのタクソノミーの開発など精力的に活動している。

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