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松下電工/「病院内業務支援ロボット」を滋賀医科大学付属病院と共同開発

2002年07月11日/未分類

松下電工(株)は、滋賀医科大学附属病院と共同で、カルテやX線フィルムなどを人に替わって運搬する「病院内業務支援ロボット」の開発を進め、現在、同病院にて運用試験中で、2003年春の販売開始を目指す。
現在、病院では薬価や医療報酬の引き下げ、サービス向上や安全性強化要請への対応から、病院経営の革新が求められ、滋賀医科大学附属病院では、機械にできることは機械に任せ、人は人でしかできない本来業務に専念することで患者サービスの向上を目指すとともに、病院経営コストの合理化を目指している。
松下電工では、1998年頃から、センサやA.I.(人工知能)ソフトウエアといった技術を活用して、病院のニーズに応え、同病院と「病院内業務支援ロボット」の共同開発に取り組み始めた。
2002年からは、実際に同病院で運用試験を開始。これまで実際に試用した職員の方からは、「持ち場を離れることが減り、患者さんを待たせるような迷惑をかけずにすむようになりました」という評価を得ている。
病院内業務支援ロボットの機能
今回は、ロボット化作業の一例として中央放射線部内の「カルテ」や「X線フィルム」の搬送をとりあげた。職員が搬送物を収納部に入れ、ロボットの顔にあたるディスプレイ上の目的地リストから希望の搬送先を選ぶと、ロボットは収納部をロックし、医療情報を守りながら自律的に搬送作業を行う。
病院内業務支援ロボットの特長
(1)走行経路ガイド不要
従来の自動搬送機では、走行経路を決めるためのテープやマークなどのガイドを床や壁に施工する必要があり、搬送機本体以外にもコストがかかっていた。また、経路を変更するたびに施工をし直す必要があったが、この「病院内業務支援ロボット」は走行経路ガイドが不要で、建築後の病院にも容易に導入できる。投資はロボット本体のみ、ロボットの走行経路はパソコンで簡単に設定することができるなど、総コストは少なくて済むように設計されている。
(2)自律制御機能
目的地を指定されたロボットは、事前に入力された地図情報をもとに、適切な走行経路を自分で判断し、途中で、患者や車椅子などに遭遇しても、安全に回避して目的地に向う。
(3)高い安全性と信頼性
病院内の職員や患者への安全確保のため、点滴棒一本をも見逃すことのない高性能センサを搭載。また、病院ベッドのような空隙の多いパイプ構造物も確実に検出して回避するアルゴリズムを開発。(国内外特許出願済み)また、2つのCPUを搭載し、互いに正常稼動を監視することで信頼性に万全を図っている。
(4)待避機能
狭い通路などでストレッチャーなどの通行の妨げになる場合には、ロボットに通路を譲るよう指示することができる。指示されたロボットは、予め指定された複数の待避場所から適切な場所を選択して移動。待避してすれ違いを完了すると、目的地への移動を再開する。
(5)PHSとLANによる、運行監視システム
各目的地に設置したパソコン(市販品)を用いて、ロボットの位置および状態を確認し、使用したい場所に呼び寄せることが可能。また、防災システムとも連動。ロボットは火災の際の信号を受け取ると、移動中であれば防火扉エリアを避けて適切な待避場所に停止し、避難や防火扉を閉める妨げにならないようにするなど、緊急時にも的確な行動が取れるよう設計されている。
(6)セキュリティ機能
カルテなどの個人情報を守るため、カルテ収納庫には指紋または暗証番号での個人認証システムを採用。
松下電工と病院内業務支援ロボットとの関係
松下電工は、これまでに病院関連事業の一環として、パワーアシスト機能の付加により運搬操作を簡単にした適温配膳車「デリカート」や、「リフレクリン」のシリーズ名で「マットレス除菌装置」、車椅子で戸外を散歩した入院患者が館内に入る際に役立つ「車いす車輪洗浄機」などを販売している。
病院内業務支援ロボットで使われている主な技術
・走行制御技術
・経路生成技術
・センサ技術
・ヒューマンインターフェース技術
・生体認証技術
・通信技術
今後の予定
展示会:2002年11月 HOSPEX(病院設備機器展)2002 出展
発売予定:2003年春
その他の仕様
予定価格:約800万円/台
サイズ:幅 600mm × 奥行 750mm × 高さ 1300mm
重量:120kg
駆動源:鉛蓄電池4個
充電時間:8時間
稼動時間:7時間以上(走行50%)
速度:最速1.0m/秒(人の歩く速度)

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