関西電力(株)は、(株)前川製作所と共同で、フロンを使わない超低温域(-40℃~-55℃)の自然冷媒冷凍装置において、従来製品に比べて20%効率を向上させた業界最高水準の高効率の冷凍装置を開発した。
超低温域における冷凍装置は、食品保存や食品加工の主用途の他、各種化学プラントのプロセス冷却や薬品の製造等に広く用いられている。この温度域の冷凍装置としては、フロン系冷媒を用いた冷凍装置が主流として普及しているが、オゾン層破壊および地球温暖化への影響があるため、脱フロン型冷凍システムの開発が急務となっている。
これまでに開発されている自然冷媒冷凍装置は、環境面では優位性はあるが、アンモニア(NH3)や炭化水素系等を冷媒に採用しており、その性質上、毒性や可燃性があるため、万一漏れた場合の対策が必要になっており、毒性や可燃性のない空気などの冷媒を採用すると、効率が悪くなるという問題があった。
NH3と二酸化炭素(CO2)という2つの自然冷媒を採用し、NH3の系統とCO2の系統とで熱交換を行うことで、毒性や可燃性がないCO2を冷却部に送り、顧客にとって安心・安全なシステムとし、冷凍機には油噴射式スクリューCO2圧縮機を採用することで円滑な運転が可能になり、地球環境に優しい高効率な冷凍装置を実現した。
装置の特長
・高効率・コスト低減
業界最高水準の効率であるCOP1.2(蒸発温度-55℃の運転条件下)を達成。従来製品に比べて20%効率アップ
・地球環境に優しい
自然冷媒を使用することにより、地球環境に優しいシステムが実現。
・安心・安全
CO2が冷凍庫内を冷却するため、製品ライン側へのNH3の直接供給を好まない食品工場や冷凍倉庫は安心して本装置を採用できる。
同装置は、平成14年1月に冷凍能力80kWの実証試験機を和歌山冷凍(株)の南港第1倉庫に設置し、12月までの予定で実証試験を行っており、平成15年4月以降、前川製作所より冷凍能力100kW~4,450kWを対象として販売を開始し、発売後5年間で400台以上の販売を目指す。
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関西電力/高効率自然冷媒冷凍装置の開発
2002年10月10日/未分類
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