丸紅他３社／「在宅医療プラネット」事業スタート

丸紅（株）、長瀬産業（株）、岩谷産業（株）と日動火災海上保険（株）は、「在宅医療プラネット」として提携し、市場が拡大している在宅医療事業へ参入することで合意した。
在宅医療プラネットは、提携企業が夫々得意とする機能を持ちよることにより、医療機関と患者さんを情報ネットワークで結び、安全で安心できる在宅医療サービスを提供する企業集団を目指す。
今回の提携では、まず在宅酸素療法から事業をスタートするが、2年後を目処に合弁会社を設立し、将来的には海外の画期的な先端技術・システムを次々と導入し、在宅血液透析、睡眠時無呼吸症候群等、様々な在宅医療事業を展開する。
国民の医療費が高騰する中で、従来の入院・外来診療と並び、自宅でいつもの暮らしを送りながら治療を受けられる在宅医療へのニーズが急速に高まっている。特に、早くから保険点数が認められた在宅酸素療法は、比較的状態が安定している方が多く、患者数は10万人に達している。
各社の役割
(1) 長瀬産業は、この在宅医療プラネットの運営主体として、在宅酸素療法の製品開発・輸入・ 製造・保守を担当。呼吸器関連商品のトップメーカーである米国のレスピロニクス社と共同で、酸素濃縮器（2L機）を開発し、商品化に成功した。本機器は、安定した高濃度酸素を高精度の流量で供給できることが特徴で、故障が少なく使い心地が良いよう工夫されている。一度使用された機器は、同社の整備センターに返却し、完全整備した後に再度、患者さんに提供する。
また、同社が開発した営業支援システム・患者情報管理システムを通じて、在宅医療情報担当者や医師が、患者の最新の状況を共有することで、よりきめ細やかな対応が可能になる。コールセンターはセコム医療システム（株）のナースセンターに業務委託し、24時間サポートを提供する。
(2) 岩谷産業は、全国サービスネットワークを活用した、在宅向け医療用酸素ボンベ、液化酸素装置及びその付属品の供給・充填サービスを行なう。これにより、酸素濃縮器と液化酸素装置の双方を備え、医師や患者さんのニーズに対応できる体制を整えているのは、本事業の強み。
(3) 日動火災海上保険は、在宅酸素療法に関する適切な保険を提供。在宅医療プラネットでは、自信を持って高度なサービスを提供する、万一の事故が起こった場合でも保険の専門家が対応する。
(4) 丸紅は、在宅酸素療法に必要となる各種機器のリース手配を行なうと同時に、海外からの画期的な最先端医療技術・システムの導入を担当。これまでにも、最先端医療機器分野で、100％子会社のメディテック株式会社を通じて定位的放射線治療装置「サイバーナイフ」や乳癌診断支援装置「イメージチェッカー」など米国製品の日本導入実績があり、またカプセル内視鏡メーカーである「ギブンイメージング」社の販売会社を設立する等、積極的な活動を行なっている。
在宅医療の分野では、超小型在宅血液透析装置や無血血糖値診断器、さらに睡眠時無呼吸症候群の検査ソフト等、これまでの常識を覆す画期的な最先端技術を投入していく。