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日本IBM/漁場・水揚港選定支援システムを構築

2003年04月24日/未分類

日本IBM(株)は、漁港や漁村に対して科学技術に関する研究・開発を官民一体で進める農林水産省の外郭団体である(財)漁港漁村建設技術研究所(以下:JIFIC)に、「漁場・水揚港選定支援による流通効率化システム」を納入した。
このシステムは、漁業者や市場関係者、学識経験者等で構成されたシステム検討協議会(委員長 宮本啓史・日本遠洋旋網漁業協同組合専務)により検討が行われ、そこでの意見を基に、日本IBMがJIFICより委託されシステム開発したもの。
これにより、漁業現場と魚市場がネットワークで結ばれ、漁業事業者は最適な水揚港を選定する上で新しい判断材料を得ることができるようになる。
日本の水産業は、漁業従事者の高齢化や資源の減少等によって漁獲量が年々減り続けている上、生産コストや流通コストの低減も課題となって折り、JIFICの新システムは、水産業の現場に最先端のITを取り入れることで、流通の効率化と最適な生産計画による資源管理を行なうことを目的にしたもの。
例えば、旋網(まきあみ)漁業などの船団が漁獲した水産物の価格は、各魚市場の相場が常時異なるため、運搬船がどの漁港に水揚げするかによって様々な変動する。また、特定漁港に水揚げが集中すると各市場への供給量が偏り、多様な魚種の安定供給が困難になったり、不安定な魚価を引き起こす可能性があり、結果として消費者向け魚価にも悪影響を及ぼすことが考えられる。
漁場・水揚港選定支援システムは、JIFICの情報センターと、海上の漁業者、漁業者事務所、および九州北部地域の旋網主要水揚げ港である福岡、福岡中央、唐津、佐世保、松浦、長崎5地区の6魚市場の卸業者をインターネットで結び情報を共有かつ有効に活用するシステム。
第1ステップとして、漁業者は水産物の漁獲量や漁場、帰港に関する所要時間などの情報を入力すると、漁獲時の状況に応じて、漁況や入船状況、相場などの情報をもとにコンピューターが特別な手法で解析し、各市場の市況を予測し、その結果を元に複数の選択すべき水揚港を相対的に比較表示するシステムを開発した。
この新システムは、大量に蓄積されたデータを解析することで、データ内に潜む項目間の相関関係やパターンなどを探し出す最先端技術「データマイニング」を活用し、漁業者がよりリアルタイムで情報を得られるため、漁業者が最適な水揚港を従来以上に的確に判断することを支援できるようになる。
新システムは、IA(インテル・アーキテクチャー)サーバー「IBM(R) xSeriesTM」上に構築したデータベース「DB2(R)」とWebアプリケーション・サーバー「WebSphere(R) Application Server」、データマイニング製品の「Intelligent MinerTM」を中核に開発。情報センターの運用支援も日本IBMが担当し、蓄積されたデータの分析や効率的な活用を支援する。
今回の新システムでは、2001年に(社)マリノフォーラム21の事業により構築された、九州北部5地区の6魚市場を結ぶ「産地電子情報ネットワーク」に蓄積された情報を分析のために利用している。
JIFICでは、引き続き漁場・水揚港選定支援システムシステムの精度向上や機能の改良を進めるとともに、第2ステップとして、その他漁業情報の活用策について検討することとしており、今後の更なる漁業のIT化について研究を行なう予定。

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