(株)日立ハイテクノロジーズとSAPジャパン(株)は、日立ハイテクノロジーズが、国際間商取引に伴う特有の業務要件をふまえてSAPが開発した「SAPグローバルトレードマネジメント(以下:SAPGTM)」を採用、同社はこれによって、今後3年間で約10億円のROI(投資回収率)を見込んでいる、と発表した。
SAPGTM導入にあたって、日立ハイテクノロジーズは、R/3EnterpriseおよびExtensionSet1.10を他社に先駆けて採用しており、SAPR/3Enterprise環境下におけるSAPGTM導入事例としては世界で初めての事例。
日立ハイテクノロジーズは、1997年4月にアメリカ現地法人でSAPR/3を導入した後、2000年10月にドイツ現地法人、2001年10月にシンガポール現地法人と、世界の各主要拠点に次々とSAPR/3を導入してきた。
さらに、グローバル・システム構築の最終段階として、同日本法人におけるSAPのERP最新バージョンであるR/3Enterpriseの導入プロジェクトに着手。2002年4月にスタートした同プロジェクトは、当初の計画通り、本年4月に本格稼動した。
これにより、既にSAPR/3導入済の製造部門・サービス部門と合わせ、グループ全体の製造・販売・サービス関連分野におけるシステム刷新が行われている。
SAPGTMは、日本の総合商社の要件をふまえ、商社の代表的なビジネスモデルである売買取引プロセスを中心にサプライヤからカスタマまでのサプライチェーンを統合管理するソリューションとして開発されたもので、その中核的特徴としては、ビジネス上の重要な判断を行うための取引関連情報を、より管理しやすい形態で提供した点があげられる。
例えば、商品の調達と販売プロセスの進捗状況や諸費用の支払い状況などを、同一インターフェースを用いて処理・照会・変更する機能や、売買契約の進捗管理といった機能は、SAPGTMによって新しく提供された機能。
日立ハイテクノロジーズでは、SAPGTMの導入を前提として、SAPR/3のコンポーネントである販売管理(SD)、購買管理(MM)、財務会計(FI)、管理会計(CO)を導入。同時に、本社・国内全営業拠点において、ビジネスインフォメーションウェアハウス(SAPBW)を導入した。
これにより、契約から決算にいたる一連の業務がSAPR/3上で一元的に管理できるとともに、リアルタイムな実績把握が可能となり、経営上における一層のスピード化が図られると期待されている。
日立ハイテクノロジーズは、SAPGTMの導入により、これまで課題としてあげられていた、商社特有の売契約および買契約の一元処理や諸掛等の精算等の一元処理を可能とし、独自の経営管理制度に加えて成約時の最終損益把握や個別契約ごとの細かな経費も把握するなど、商社に必要不可欠な業務処理を実現している。
また、SAP製品を採用した新基幹情報システムは幅広い事業を展開する商社の業務処理にも対応しているため、大幅なペーパレス化や業務の簡略化にも貢献し、SAPBWと併用することによって経営情報の整備や情報の一元化・共有化が可能となり、海外拠点を合わせたグローバルな観点からのデータ分析などに効果を発揮するものと期待されている。
今回の日立ハイテクノロジーズにおけるシステムの早期導入は、日立製作所、日製ソフトウェア、日立情報システムズ、丸紅情報システムズ、SAPジャパンとの共同作業により実現した。また、SAPドキュメント自動作成ツールであるRWDInfoPakRforAsiaを採用し、操作マニュアルの作成期間を短縮し早期運用開始を可能とした。
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日立ハイテクノロジーズ\R/3 Enterprise環境下でSAPグローバルトレードマネジメント導入
2003年12月24日/未分類
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