NECは、モバイルネットワークソリューションの導入によるCO2排出量の削減効果を分析する手法を確立した。
開発した手法は、第三世代(3G)携帯電話、第二世代(2G)携帯電話、パーソナル・ハンディホン・システム(PHS)のネットワークを構成する端末、基地局、交換局をモデル化し、LCAによりCO2排出量を評価することで実現したもの。
この手法の開発により、モバイルネットワークを利用した各種IT・ネットワークソリューションの導入によるCO2排出量の削減効果が簡便、迅速に評価できるようになる。
NECでは、既に運用しているITソリューション導入によるCO2排出量削減効果の測定ツールに本手法を採用することにより、CO2排出量削減効果測定ツールの適用領域をさらに拡大し、NECのソリューション環境負荷評価制度で運用を開始した。
近年、地球温暖化、廃棄物の増加、化学物質リスクの増大など、様々な環境問題が重要な課題として認識されており、特に地球温暖化については、京都議定書の発効に備え、国内外でCO2削減のための取り組みが進められている。
一方ITは、これを構成する様々な電子機器の増加による消費電力の増加が懸念されるものの、紙の削減や輸送の効率化などにより、トータルで環境負荷を削減する効果が期待されている。
NECでは、IT・NWソリューション導入が環境負荷、特にCO2を削減する効果にいち早く着目し、環境に配慮したIT・NWソリューションの導入を促進する研究開発を進めてきた。
2002年10月には、ITソリューション導入によるCO2排出量の削減効果を迅速に算出できるソフトウェアツールを開発し、社内の開発に適用している。
近年急速に普及しているモバイル通信を利用したモバイルネットワークソリューションのCO2削減効果の分析手法を今回確立できたことから、NECでは提供するIT・ネットワークソリューション導入における環境負荷の提案が幅広く行えるようになる。
開発した手法の特長
3G携帯電話、2G携帯電話、PHSのネットワークを端末、基地局、ケーブル、交換局をモデル化し、LCA技術に基づいて、構築、運用、処分(廃棄・リサイクル)の各段階のCO2排出量を評価しました。3G携帯電話ネットワークについては、2G携帯電話と同程度普及した場合を想定した評価も実施した。
成果に基づき、様々なモバイル通信ネットワークを利用したモバイルネットワークソリューションのCO2削減効果を分析する手法を確立した。この手法に基づき、3G携帯電話を利用したモバイルネット会議システムの業務をモデル化して試算したところ、システム導入により約70~80%のCO2が削減できるとの評価結果となった。
3G携帯電話ネットワークのCO2排出量を詳細に評価した結果、3G携帯電話が2G携帯電話と同程度普及した場合、基地局運用段階と端末製造段階のCO2排出量は、それぞれシステム全体の約50%、約20%を占めることがわかった。
これより、基地局を構成する機器の省電力化や、端末の部品・材料の削減による軽量化やリサイクル・リユース設計が重要とわかった。