（株）商船三井は、ことしから2006年度にかけて竣工予定の自動車船12隻の第一船“UTOPIAACE”を船隊に加えた。
UTOPIAACEは、シップ・オブ・ザ・イヤー’03を受賞したCOURAGEOUSACEの風圧抵抗軽減技術に加え、燃料油流出リスクを大幅に軽減する二重底燃料タンクの採用など、さらに先進的な技術を取り込んだ新型自動車船。
新造船の概要
船名：UTOPIAACE（ユートピアエース）
竣工日：2004年7月30日
造船所：三菱重工業株式会社神戸造船所
主要目6,400台積（基準小型車換算）
全長200m、全幅32.26m、深さ34.52m、60,200総トン、航海速力20.65ノット
新型自動車船の特徴
・喫水線以下の船型を、従来型より推進抵抗を8％削減する超スリム型省エネルギーデザインとした。
・COURAGEOUSACE以降採用している船首部分のラウンド形状を引き続き採用することに加え、甲板上の船側部にある艙内換気装置カバーの天井部分の角を取ることで（特許出願中）更に風の抵抗を軽減した。
・合計約14％のCO2削減効果が期待できる。
・万一の座礁の際も燃料油の流出リスクを大幅に軽減する、二重底構造の燃料タンクを採用し、海洋環境に配慮した。
・メインエンジンシリンダへの潤滑油の注入方法を噴射式に変えることで、潤滑油の消費量を削減するうえ、排気ガス中の粒子状物質を約30％減らす。
・全層背高車対応のデッキ構成、上層階層に直結する可動式ジャンピングスロープの導入などにより、荷役効率を飛躍的に向上させた。
・係船装置の最適配置を行うと同時に、アンカーなど艤装品を左右非対称に配置した結果生じたスペースを利用し、積載可能台数を増やした。
