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海上技術安全研究所/次世代型帆装船開発のための要素技術を開発

2004年09月23日/未分類

独立行政法人海上技術安全研究所は、次世代型帆装船のクレーン兼用高揚力複合帆、帆装船用ウェザールーティングシステムなどの開発を行うとともに、二酸化炭素排出量の評価を実施した結果、かなりの削減が見込まれることが明らかとなった。

帆装船は、かつて石油ショック直後に省エネ目的で開発され、かなりの省エネ効果があることが実証された。一方、近年の二酸化炭素の排出等環境問題に対する関心の高まりの中、こうした省エネ目的とは別にさらに風力エネルギーを効率よく利用する次世代型帆装船の開発が期待されている。

こうした状況を踏まえ、海上技術安全研究所では、将来の帆装船の開発に資するため、高揚力帆や帆装船用ウェザールーティングシステムの開発を実施してきた。

なお、この研究の一部は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の助成を受けた(社)日本造船研究協会「次世代型帆装船の研究開発」の一部として実施したもの。

研究の成果
(1)デッキクレーンを帆のブームとして使う新しい高揚力複合帆の風洞実験を実施した。この高揚力帆は円弧状断面を持つスラットと硬帆、三角形軟帆から構成される複合帆で、構成部の相対位置等を最適にすることによって、実用性を考慮したクレーン兼用型複合帆としてかつての省エネ帆装船の専用矩形硬帆を超える最大揚力係数2.15(省エネ帆装船矩形硬帆:約1.8,同縦横比)を達成した。

(2)従来のウェザールーティングシステムでは基本的に航路上の波や風を避けて目的地に最短航海時間で到着することを目的とするが、帆装船は風のエネルギーを最大限に活用しなくてはならない。帆装船としてのこの目的を達成するために、航海時間が一定という条件の下で気象・海象予測等に基づいて二酸化炭素排出量が最小となるような航路を計算する帆装船用ウェザールーティングシステム(特許出願中)を開発した。

(3)この帆装船用ウェザールーティングシステムを用い、クレーン兼用型高揚力複合帆を装備したばら積み船の北太平洋航路における航路計算をおこない、二酸化炭素排出量の評価を行った結果、従来型ばら積み船と比べて平均17.4%の削減が見込まれることを明らかにした。

問い合わせ先
独立行政法人海上技術安全研究所
輸送高度化研究領域
操縦・制御研究グループ長
上野道雄
TEL0422-41-3059

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