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ヤマト運輸/「ゆうパックリニューアル」に対する見解

2004年09月29日/未分類

ヤマト運輸(株)は、日本郵政公社による「ゆうパックリニューアル」について見解を公表した。

宅配便市場は民間企業が切り開いてきた市場である。民間がすでに提供しているサービスを日本郵政公社が真似をしてまで提供する必要があるのか。

昭和51年の宅急便開始以来、同社はお客様の立場に立った利便性の高いサービスを次々と開発し、宅配便市場を切り開いてきた。その間、クレジットカードや地域振興券の配送などにおいて、当時の郵政省と信書をめぐる論争を繰り返してきたが、努力し続け、サービス開始以来、累計で120億個もの宅急便を取り扱うまでになった。

それに対して、ゆうパックの取扱個数は横ばいで、目立った独自の新商品・新サービスを開発した経緯も見られなかった。

しかも、今回の発表内容を見ると、ゴルフ・スキーなどすでに民間では提供しているサービスを開始するにすぎず、公社という立場にありながら、民間の後追いまでして始めるサービスなのか疑問。

宅急便におけるサービス開発の歴史
昭和51年:持込お荷物100円引き
昭和58年:スキー宅急便
昭和59年:ゴルフ宅急便
昭和61年:コレクトサービス
昭和63年:クール宅急便
平成4年:タイムサービス
平成6年:宅急便モデルチェンジ(140・160サイズ増設、複数口減額制度を開始)
平成8年:365日営業
平成9年:全国ネットワーク完成(ユニバーサルサービス実現)
平成10年:「時間帯お届け」サービス
(午前中・12時~14時・14時~16時・16時~18時・18時~20時・20時~21時
の6区分)
:往復宅急便
:HP上での荷物お問い合わせサービス
平成14年:宅急便[メール通知サービス]
平成15年:超速宅急便(北海道エリア)
平成16年:超速宅急便(九州エリア)
:宅急便[お届け通知サービス]

料金については民間ではできない価格を設定している。これは日本郵政公社と民間企業の競争条件が公平・公正ではないからできたのではないかと思う。

日本郵政公社は公社という立場で、さまざまな優遇措置を受けている。同社がいろいろな資料で確認できたものだけでも枚挙に暇がなく、こうした条件によって低価格が実現できていると推測できる。もし、民間企業と同一条件になった場合、発表された価格を維持できるのか。

具体的な優遇措置について
・納税義務の免除
法人税・事業税・事業所税・固定資産税・都市計画税など、ほとんどの税金が非課税とされてる。
・道路交通法関連
車両通行止め、二輪自動車・自転車通行止めの規則から除外されている。歩行者専用道路の通行、駐車禁止区域への駐車を許されている。
・貨物自動車運送事業法関連
貨物を運送する企業にとって守るべきルールとなる貨物自動車運送事業法の適用を日本郵政公社は受けていないため、自動車配置数の制限を受けない。また、農地法、都市計画法、建築基準法などの除外を受けているため、事業所の設置場所に制限を受けない。
・独占領域の存在
日本郵政公社が扱っている手紙・ハガキといった信書事業は事実上、日本郵政公社の独占領域となっている。
・ユニバーサルサービスを維持のための優遇措置
日本郵政公社は、郵便事業について、ユニバーサルサービスの義務を課せられているから、様々な優遇措置を受けるのは当然である、といった論を展開している。一方、同社は運送事業者としての使命感を持ち、企業姿勢・サービスの質の問題として、ユニバーサルサービスを展開している。日本郵政公社のみがユニバーサルサービスの代償としての優遇措置を要求するのは不当である。

公平・公正な競争を求めます。
すべての問題は「民営化のプロセスが明らかになっていないこと」「その中で、優遇措置を受けたまま、日本郵政公社が事業を肥大化していること」「そして、今後、民業圧迫という実害が出ることが予測されること」に原因がある。

公平・公正な競争条件を求めて、ヤマト運輸は9月28日、東京地方裁判所に、日本郵政公社に対する不公正取引差止めの提訴を行った。日本の司法の良識を信じたいと思う。

さらなるサービス拡充を
公平・公正な競争条件を求める一方で、ヤマト運輸はお客様に選ばれるサービスの提供に全社で一丸となって取り組んでいく。ヤマト運輸の強みである地域に密着したSDがお客様に満足していただくサービスを提供していく。

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