三菱電機(株)は、金型製造など多品種少量生産に最適な工程計画を作成する生産現場向けの工程管理システム「Aps Magicエーピーエスマジック」と、ネットワーク経由にて工作機械の稼働を遠隔で集中監視する加工機ネットワークシステム「Remote Magicリモートマジック」を11月1日から発売する。
製造業の生産現場においては、グローバルに競争が激しくなる中、厳しい納期短縮・コスト削減要求に対応するため、工場全体の工程管理強化を通じた工作機械の稼働率向上による生産性向上が求められている。
従来は、各々の工程管理システム間で手作業によるインプット作業で情報を受け渡ししており、入力時間がかかる上、入力時の人為ミスが発生していた。
また、過去の加工経験から推定した加工時間と実際の加工時間に差異が発生するため、計画通りの製造ができない場合があった。
今回、同社では多品種少量生産で、かつ急な割込み等が頻発する金型製造業等において最適な工程計画を作成する工程管理システム「Aps Magic」と、ネットワーク経由で工作機械を遠隔稼働監視して稼働率向上に貢献する加工機ネットワークシステム「Remote Magic」を製品化した。
これらにより納期の短縮とコスト低減を実現し、また既に発売しているCAD/CAMシステム「Cam Magic DM」と組み合わせる事により、設計-工程管理-稼働監視-加工のシステム間の加工情報、稼働稼動情報のデータを共有化でき、これらの一元管理によって設計・製造の場面で出てくる無駄や齟齬が排除できる。
これらの製品は、安価にシステム構築が可能であり、多品種少量生産の金型製造業等の小規模な工場にも適している。
同社は、設備稼働率向上・加工時間短縮など工場現場本位のソリューションe-F@ctoryRを展開しているが、今回の2機種は産業メカトロニクス分野でのe-F@ctoryRの具体的製品。
新製品の特長
1.工程管理システム(Aps Magic)の特長
・パターン引用の多用により工程設計・編集・変更等にかかる入力工数を削減し、作業性を改善した。
・計画工数と実績工数をもとにした損益計算・品質管理・生産上の問題分析ができる。
・内部のデータベース構造を公開しており、お客様のシステムとの組み合わせも容易。
2.加工機ネットワークシステム(RemoteMagic)の特長
・LAN接続された加工機の稼働状態をリアルタイムで遠隔監視することにより、分工場等の遠隔地についても、機械の停止を察知し、早期に対処することにより稼働率が向上できる。
・各通信プロトコルとの互換性を有しており、他メーカーの加工機とのネットワーク構築ができる。