(株)ニチレイは平成17年4月1日、組織を持株会社体制に移行し、グループ全体戦略を担う持株会社と業務執行を担う各事業会社のそれぞれが責任と機動性を発揮できる経営体制を実現する。
持株会社のほかに、「加工食品」、「水産・畜産」、「低温物流(中間持株会社)」、「バイオサイエンス」、「シェアードサービス」の5社を会社分割によって設立する。
平成15年4月から導入した社内カンパニー制では、各カンパニーの自立性、意思決定の迅速化といった面において一定の成果が見られ、ことし4月からの低温物流カンパニーの分社化で、従業員の経営参加意識が拡大したことから、従来では取組みの弱かった各地域の顧客開拓が進むなど、成果が確認され始めている。
このような状況を踏まえ、今年度から始まった新中期経営計画の目標必達に向けて、より徹底した収益責任体制を敷く機運が高まったとの認識から今回の組織再編を決定しした。
持株会社と分割事業会社の機能と役割
(1)持株会社
(株)ニチレイ
分割事業会社への大幅な権限委譲とモニタリング機能の強化を基本スタンスとし、グループ企業価値を最大化するための組織運営を行う。
ニチレイグループのミッション・ビジョンの実現に向けて、グループ戦略の立案・決定・遂行、経営資源の適正な配分、グループ全体に対するモニタリング・リスクマネジメントの実施、株式公開会社としての責任の遂行を行う。
取締役会のサポートを行うコーポレートスタッフ、グループのモニタリング機能を果たす経営監査、グループの品質保証を担当する組織などで構成し、現在、低温物流カンパニーに所属している不動産事業は、グループ所有不動産の有効活用を図るという観点から持株会社の組織とします。育成事業であるフラワーカンパニーも持株会社の組織となる。
(2)分割事業会社
各事業会社は、独立会社としての一切の機能(企画、開発、生産、販売までの一連の経営機能)を取り込む。各事業会社社長の執行権限により組織の自立性を高め、市場から要求されるスピードに対応できるように環境適応力を高める。
売上高、営業利益を中心とした連結業績だけでなく、キャッシュ・フローさらには使用資本にかかる資本コストを上回る利益の確保(経済的付加価値の黒字化)を得られるような経営を実践する。
1.(株)ニチレイフーズ(仮称)(加工食品事業)
加工食品カンパニーを会社分割し、株式会社ニチレイフーズとする。生産子会社である現・株式会社ニチレイフーズは、ニチレイ食品製造(株)(仮称)に社名変更する。
2.(株)ニチレイフレッシュ(仮称)(水産・畜産事業)
素材流通という共通の事業構造を持つ水産カンパニーと畜産カンパニーは統合して会社分割し、株式会社ニチレイフレッシュとする。双方の販売チャネルを活用することによって、営業面での相乗効果を見込んでおり、トレーサビリティシステムの構築や管理事務といった事業基盤の面で、ノウハウの共通化やコスト削減を期待できる。
3.(株)ニチレイロジグループ本社(仮称)(低温物流事業)
低温物流カンパニーは傘下各社の持株会社としての機能を果たしていたが、会社分割し、(株)ニチレイロジグループ本社とし、低温物流事業の物流ネットワーク事業各社や地域保管事業各社の持株会社としての機能を果たす。
4.(株)ニチレイバイオサイエンス(仮称)(バイオサイエンス事業)
バイオサイエンスカンパニーを会社分割し、株式会社ニチレイバイオサイエンスとする。
5.(株)ニチレイプロサーヴ(仮称)(シェアードサービス事業)
コーポレートサービス部を会社分割し、グループのシェアードサービス子会社である株式会社ニチレイ・アプリと統合することにより、(株)ニチレイプロサーヴを設置する。
役員の異動は、現在のところ未定で、従業員の処遇は労働承継法に基づき、各カンパニーの所属社員は分割各社へ転籍とし、今回の分社化に際しては、現在の労働条件を承継する。