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NTTデータ/製造企業におけるRFID実証実験

2005年08月07日/未分類

(株)NTTデータ、慶應義塾大学、(社)日本プラントメンテナンス協会、東洋精器(株)は、製造業の生産プロセスにおけるRFIDタグを利用して、製造情報とものの流れを可視化する方法や有効性を検証する実証実験を実施した。

実験は、昨年4月に発足した「ユビキタス生産システム研究会」における取り組みの一環として実施した。

本研究会では、受注から生産計画作成、指示、製造、出荷までの”情報の流れ”と”ものの流れ”の整合性をRFIDタグで担保して、一連の注文処理の流れを可視化する「ユビキタス生産システム」の研究・開発を推進している。

本システムの具体的なメリットは、「注文処理の流れの実績をRFIDタグ情報システムでリアルタイムに可視化することにより、即時対応の進捗管理を可能にし、情報とものの流れの両面に基づくトータルな視野から、製造業務プロセスを継続的に改善・変革できることで、納入遅れと停滞のない効率的な”情報”と”もの”の流れを実現する。

実験内容は、機械部品を製造している東洋精器(株)の工場内の生産ラインに、NTTデータが提供するユビキタス・プラットフォームを活用したRFIDタグ情報システムを導入し、ものの流れをリアルタイムに可視化し、製造工程を管理する実証実験を実施した。

実験の概要
生産指示票にRFIDタグを貼付し、素材の払い出し、旋削と穴あけの二つの工程での入りと出の各ポイントにリーダライタを設置し、通過時刻を測定することで、ものと情報の流れの可視化が可能になることを実証した。

実施期間:2005年3月14日(月)~3月25日(金)
実施場所:東洋精器本社工場
使用タグ:FRAMタグ(ユビキタスIDセンター準拠)
生産指示票:159枚
使用タグ数量:100枚(タグは循環利用を実施)
登録品種:13品種
タグの読み取り回数:560回

今回の実験においては、NTTデータがRFIDタグ情報システムの開発を、慶應義塾大学が生産プロセス理論の検討と実験結果の分析を、社団法人プラントメンテナンス協会が製造業全般における生産ノウハウ提供を東洋精器がフィールドの提供、タグ情報システムの実験運用とデータ収集、現場ノウハウの提供を担当した。

実験の成果(結果)

(成果1)RFIDタグ情報システムが製造現場の担当者に受け入れられることを実証した。
製造現場への新しい情報システムの導入は、通常の場合、製造現場の負担が増えることが懸念されるが、RFIDタグつきの生産指示票を使った今回の製造作業では、現場に負担をかけることなく、スムーズかつ効率的な運用を行うことができた。また生産指示票により、作業内容や期日などが明確になるといった具体的な効果があったため、現場の担当者から好意的な評価を得ることができた。

(成果2)RFIDタグ情報システムが効果を挙げるために、ものの流れを整備する等、予め製造現場で改善すべき内容が明らかになった。
今回のRFIDタグ情報システムの導入では、RFIDタグをものや生産プロセスに関連付けるため、生産指示票とものの対応関係や製造現場側のオペレーションの見直しを行った。
これによって、これまでは必ずしも、ものの流れが明確ではなかった製造現場に対して、RFIDに関連付けられた生産指示票でものの流れが把握できるようになり、具体的なプロセス改善につながることが実証できた。

(成果3)生産プロセスに関する情報と実際のものの流れを可視化する方法とその有効性を実証した。
具体的には、生産指示票にRFIDタグをつけ、各工程でのものの出入りをリーダでチェックすることで、生産作業の進捗をリアルタイムで把握・管理できた。

今後について
研究会は、今回の実験で得られた結果について、継続して評価・分析を行うことにより、製造業務プロセスにおけるRFIDの効果的な活用法の確立を目指していく。

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