三井物産(株)は、香港における最大手総合物流事業会社であるBALtrans Holdings Limited(本社:香港特別行政区、会長:Mr.AnthonySiuWingLau、以下:バルトランス)の発行済株式25%相当を取得すべく、先ずはバルトランスの大株主であるJardine Asian Holdingsより同社保有分約20%相当を全て譲り受けることで合意した。
残る5%相当分は別途取得すべく検討を進めている。株式取得金額約25%相当分の合計で約45億円程度。
バルトランスは香港を拠点とする香港証券取引所の上場企業で、航空貨物、海上貨物輸送に加え、3PL事業、展示物輸送等を主力業務としている。
また世界17ヶ国に物流拠点を持ち、現在では欧州・中東・アフリカ、アジア・パシフィック、北米の3つの地域に各々統括拠点を配置してグローバルな物流サービスを展開している。
特に中国内においては14ヶ所の物流拠点を保有する、外資企業としては最大級の物流ネットワークを構築して総合物流サービスを提供している。
三井物産社物流本部では、100%出資子会社である(株)トライネットを中心として、「トライネット」ブランドの下に日本、米州、欧州、中国、東南アジアの世界5極体制を敷いて自前の物流拠点を整備、国際物流事業展開を図っている。
特に、成長市場である中国における物流サービスの提供では、中国内で設立した事業会社を活用すると共に、より幅広いサービス能力を確保するべく、戦略的パートナーとの事業提携を実現してきた。
2003年3月には中国国家郵政局傘下で中国内小口配送を得意とする中郵物流有限責任公司(本社:北京市、総経理:李雄、以下:中郵物流)との戦略的包括業務提携契約を締結、2004年4月にはバルトランスとも戦略的包括業務提携契約を締結し、両社との強固なパートナーシップの下、競争力ある運賃、料金を活用して中国全土における物流ニーズを広範にカバーする体制を整備してきた。
また2005年4月にはTrinet (China) Logistics(本社:上海市、社長:辻博正)を設立し、「トライネット」グループの中国における中核会社として、弊社傘下の事業会社、中郵物流とバルトランスの機能を活用した物流サービスを提供している。
同社とバルトランスは、戦略的包括業務提携契約に基づく事業パートナーとして、中国関連ビジネスを中心とする物流事業面での関係強化を図ってきた。
パートナーシップを通じてバルトランスが価格競争力、サービス品質、ネットワークの何れにおいても高い実力を有していると評価しており、バルトランスへの出資参画を通じて「トライネット」ネットワークの機能補完、強化に寄与するものとしている。
今後も自動車部品等の新たな物流ニーズの高まりが予想される中国において、バルトランスへの資本参画を契機として、同社との更なる関係強化とシナジー効果の実現を追求する。
バルトランス会社概要
社名:BALtrans Holdings Limited
所在地:中華人民共和国香港特別行政区(登記上の本社所在地はバミューダ)
設立時期1980年
上場香港証券取引所(1992年上場)
資本金30.35百万香港ドル
出資者/比率:Mr.Anthony Siu Wing Lau約24%、三井物産(株)約20%、Mr.William Hugh Purton Bird約16%、Mr.David Chung Hung Wai約11%
2005年7月期売上高:3,706百万香港ドル(約555億円)、当期利益111百万香港ドル(約17億円)
従業員1,695名(2005年7月31日現在)