伊藤忠商事(株)は、子会社ITOCHU Oil Exploration(以下:BTC)Inc.を通じて3.4%のシェアでBTC(Baku-Tbilishi-Ceyhan)パイプラインプロジェクトに参加しているが、同パイプラインへの原油充填作業が完了し、トルコ共和国ジェイハンから第一回目の出荷として約60万バレルの原油が6月4日、タンカ-に荷積みされた。
これにより、トルコ海峡を避けて、アゼルバイジャンを含む、カスピ海で産出される原油を世界市場に輸出するルートが開拓されたことになる。
BTCパイプラインは、アゼルバイジャン共和国バクー(Baku)を起点とし、グルジア共和国トビリシ(Tbilisi)を経由して、地中海沿岸のトルコ共和国ジェイハン(Ceyhan)に至る総延長約1,768km、輸送能力日量100万バレルの原油輸送パイプラインで、主にカスピ海にあるACG(Azeri-Chirag-Gunashli)油田で産出される原油を輸送するために建設された。
将来的にはカスピ海地域の他の油田から産出される原油を輸送することも考えている。
BTCパイプラインのオペレーション準備作業は、起点となるバクー近郊のサンガチャルターミナルから地中海沿岸のジェイハン出荷基地にいたる全ルートで昨年5月より行なわれた。
パイプラインのトルコ部分(全長1,076キロ)とジェイハン出荷基地及びBTCシステムの完成で、トルコ部分は4つのポンプステーションと2つの計量施設を備え、ジェイハン出荷基地には、100万バレルの貯油能力を持つタンクが7基設置され、全長2kmの桟橋では2隻の30万トン級タンカーが同時に着桟可能となっている。なおパイプラインの充填に必要とされたACG油田の原油総量は約1,000万バレル。