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三井造船/天然ガスハイドレート(NGH)陸上輸送システム実証

2006年06月12日/未分類

三井造船(株)は、中国電力(株)と共同で、国内の天然ガスパイプライン未整備地域における中小規模需要家向けの新たな天然ガス供給手段として有望と考えられる、天然ガスハイドレート(NGH)の製造、配送、利用システムの実証事業を開始する。

実証事業は、国内有数の液化天然ガス(LNG)輸入基地である、中国電力の柳井発電所において、未利用のLNG冷熱を効率的に利用した日産5トンのペレット状NGHの製造プラントを建設し、新たに開発するNGHローリー(ペレットコンテナ)で数十km離れた分散型天然ガス焚ガスコージェネレーションおよび家庭用ガス需要家まで配送、再度天然ガスと水とに分離して利用する一連の天然ガス陸上輸送チェーンを実証する。

事業は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から両者が共同研究として受託するもので、平成18年度から平成20年度までの3年間で総額15億円の事業費で実施する計画。

ガスハイドレートは、水とガスからなる包接水和物で、メタンハイドレートが日本近海の海底地層中にも存在するなど、新たな資源として注目されているが、一方で工業的に製造し、天然ガスの輸送・貯蔵媒体として利用することが可能で、一般に事業化されているLNGは、-162℃という超低温での輸送・貯蔵が必要だが、NGHの場合-20℃で良く、トータル利用コストを下げることが可能で、特に中小需要家への天然ガス普及促進に寄与するものと期待されている。

三井造船は、NGHを利用した海外のガス田からの天然ガス海上輸送チェーンの研究開発を進めるため、2001年に「NGHプロジェクト室」を設置してチェーン全体の開発を推進しており、今回NGH陸上輸送の実証を行うことをステップとして世界的なNGH輸送チェーンの事業化へとつなげていく。

実証事業の概要
事業名称:NEDO技術開発機構燃料技術開発プログラム「高効率天然ガスハイドレート製造利用システム技術実証研究」
事業の内容
1)NGH製造システムの開発・実証
・LNG未利用冷熱を活用したNGHペレット製造設備(5トン/日)の開発
・中国電力(株)柳井発電所LNG基地で実用性を実証
2)配送および利用システムの開発・実証
・NGHの配送、需要家サイトでの貯蔵、再ガス化が可能な兼用容器の開発
・輸送時の安定性、利用時の制御性等実用性を実証
3)NGH陸上輸送チェーンの実証
LNGを原料としたNGHを製造し、ガス需要家まで配送、再ガス化、利用する一連のシステムの実証
事業期間平成18年度~平成20年度(3年間)
総事業費15億円(3年間の総研究費〔予定〕。うち、2/3をNEDO技術開発機構が負担)

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