三井造船は4月19日、中国電力と共同で進めていた、天然ガスハイドレート（NGH）の製造、配送、利用設備の実証研究を完了したと発表した。
実証研究では、液化天然ガス（LNG）を燃料として使用する中国電力の柳井発電所（山口県柳井市）にNGH製造試験設備を設置し、製造したNGHペレットを、ローリーなどで同社エネルギア総合研究所（広島県東広島市）や広島ガスの技術研究所（広島県安芸郡）に設置した需要試験設備まで輸送。利用することによって、NGH陸上輸送チェーンの実証を行った。
同研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構から2社が共同研究として受託した。NGHを製造し、需要試験設備まで輸送、再ガス化して、利用する一連の実証は、今回が世界初の試みとなった。
実証研究で、NGHによる天然ガス輸送の可能性を確認したことから、三井造船は、並行して実施しているNGH製造プラントの大型化や、NGH輸送船開発などを推進する。海外の多数の中小ガス田から需要地へ向けて天然ガスをNGHによって安全で、経済的に輸送する、天然ガスのサプライチェーンの実用化を目指す。
