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NEC/複数のタグの一括読み取りを実現したゲートシステム実用化

2006年09月21日/物流施設

NECは、複数のUHF帯対応RFIDタグを、高い精度で一括読取することが可能なゲートシステムを開発した。

従来、入出荷検品や在庫管理業務において、荷台(パレット)上の複数の梱包箱に貼付されたUHF帯RFIDタグを一括で読み取ろうとした場合、条件によっては10%から20%程度の確率で読取ミスが発生してしまい、実業務への適用は困難だった。

今回、開発したゲートシステムは、反射の原理を利用するNECの独自技術により、タグの一括読取精度を大幅に向上すると共に、隣接するラインを流れるタグの誤読取などを低減することで、実業務への適用に足る高度な読取精度を実現している。

年内にもゲートシステムを製品化し、国内外に向けて出荷を開始する予定で、標準販売価格は800万円からになる見込み。今後、物流・製造ラインの検品システムや、サプライチェーンにおける在庫管理システムなどに向けた営業活動を国内外で展開し、今後5年間で約200億円の売上げを見込んでいる。

ゲートシステムの主な特長
(1)電波の反射を利用し高精度な一括読取を実現
読取用の電波をアンテナから発射する際に、直接RFIDタグに向けて発射するのではなく、一旦ゲート側面にある反射板にあて、そこで反射した電波をRFIDタグにほぼ垂直にあてる構造を採用。

これにより、高精度な一括読み取りを実現すると共に、これまで読み取りが難しいとされていた液体や金属が入った梱包箱の表面に貼付されたRFIDタグの読み取りも、高い精度で実現。

(2)隣接するラインのRFIDタグの誤読み取りを抑制
ゲート内側の両側面に反射板が設置されているため、荷台の進行方向を横切る電波(荷台の側面にあてられる電波)は、反射板の間を行き来し、ゲート外部への漏洩が低減される。

また、電波を発射するアンテナがゲート上部にあり、そこからゲート側面を経由して電波が飛ぶため、アンテナからゲート外部までの距離が通常のゲートの2倍以上となり、ゲート外部に漏洩した電波も大幅に減衰する。これらにより、隣接するラインを流れるRFIDタグの誤読み取りを防止。

UHF帯対応のRFIDは、通信距離が最大6メートルと長く、広範囲な通信が可能であることから、製造・物流を中心としたサプライチェーンの効率化を実現するものとして注目を集めております。米国においては、既に大手流通業者などがUHF帯RFIDを活用しており、今後は世界各国における多くの企業で利用が進むものと見込まれている。

従来のUHF帯対応RFIDタグの読み取りシステムは、一括読み取りの精度が低いことや、隣接するラインを流れるRFIDタグの誤読取が発生するといった課題があった。今回の開発したゲートシステムは、高精度での一括読取を実現することから、これまで適用が難しかった領域におけるUHF帯対応RFIDの活用が進むと考えている。

なお、製品化に先駆け、NECパーソナルプロダクツ米沢事業場のパソコン入荷・出荷検品ラインにおいて本ゲートシステムを用いた実証実験を開始しており、製品化に向けた情報の収集や、システム構築に関するノウハウの蓄積を進めている。

また、ことし10月に開設予定のRFIDシステム実証センター「RFIDイノベーションセンター」に本ゲートを展示し、ゲートシステムの検証やデモンストレーションなどを実施していく。

問い合わせ
NEC
放送・制御販売本部新事業推進部
電話03-3798-5462
tg2@customer.jp.nec.com

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