日本政策投資銀行は、今年度創設された「防災対応促進事業」（防災格付）融資制度の大阪府第一号として、鴻池運輸(株)に融資を実行した。
神奈川県下での配送センター新設を対象に実施。設備面で充実した地震対策を導入するほか「首都圏における配送センター間の相互補完体制の構築を通じて、災害時の事業継続の可能性を高めることが見込まれる」としている。
「防災対応促進事業」融資制度は、中央防災会議「『防災に対する企業の取り組み』自己評価項目表」をベースにした独自の評価システムを構築し、防災に対する取り組みの優れた企業を評価・選定した上、企業の防災対策事業に優遇金利で融資を行うという「防災格付」の手法を導入した新しい融資制度。
鴻池運輸では、経営方針に「安全」「品質」を掲げ、最優先とされている「安全」の実現に向けた対策の1つとして震災対策マニュアルを制定。顧客の事業継続を守るため、アウトソーシング委託元と共同防災訓練を実施するなど、相互協力体制をとっている。
また、連結対象企業を含めた緊急連絡網の作成など、グループ全体での防災体制の構築、情報システムのバックアップ対策、設備・機器類の防振ゴム、アンカー止めによる取り付け、ラック落下防止用ストッパーの設置など実効的な地震対策の実施に積極的に取り組んでいる点が高く評価された。
