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欧州委員会/RFIDに関する欧州の政策戦略を提案

2007年03月20日/IT・機器

欧州委員会(EU)は、RFIDタグに関する汎欧州的な公開協議を開始してからちょうど1年が経過し、欧州のRFID戦略案を発表した。特に、消費者の信頼を向上させるために、市民のプライバシーに関する懸念を払拭するとともに、毎年60%の成長を続ける市場において欧州はどうあるべきかを提案した。

「不正商品対策から医療の向上に至るまで、RFIDタグは産業と社会にとてつもなく大きなチャンスを提供している」と、レディング情報社会・メディア担当委員は、ドイツのハノーバーで開催されている世界最大のITフェアーであるCeBITにおいて欧州委員会の戦略を発表した際に述べた。

「私は昨年、このCeBITで、欧州において、個人情報とプライバシーを保護する一方で、RFID技術の使用を促進しなければいけないと述べました。欧州委員会が2006年に欧州全体で行った公開協議により、市民の中に、認識が甚だしく欠如していることと、かなり強い懸念が存在していることが浮き彫りになりました。従いまして、欧州委員会のRFID戦略は、市民の認識の向上を目指すとともに、市民自らが個人情報がどう使われるかを決定することの絶対的な必要性を強調し、かつ、欧州がRFIDの巨大な潜在性への既存の障壁を確実に撤廃することを主眼としたものです」と、レディング委員は続けた。

RFIDは、無線識別信号を発するチップと、その信号を受信し、チップを識別する装置を使った技術であり、用途は大変広く、直接的な接触やLOS (ラインオブサイト)スキャンを必要としない。

無線ICタグの経済的潜在性は、過小評価のしようがない。2006年だけでも、世界中で10億枚を超えるRFIDタグが売れた。2016年までには、この数字が500倍以上に増えると思われる。欧州市場の規模も、2006年の5億ユーロから2016年には70億ユーロに膨らむと見込まれている。欧州はRFIDの研究開発でも世界のトップにある。

しかしながら、無線ICタグの潜在性に関する認識は低い。2006年の欧州委員会による公開協議において、2,190人の回答者のうち約6割がRFIDに関する賛否両論を適切に評価するだけの知識がないと答えている。

知識がある人のうち70%が、安全、データ保護、プライバシーに関する懸念を軽減するためには、技術的な解決がベストであるとし、67%が意識向上キャンペーンや消費者啓蒙活動への支持を表明、55%がRFIDの規制を求めた。

欧州がRFID技術の経済的、社会的便益を享受し、消費者の懸念にも対応できるようにするために、欧州委員会は、RFIDコミュニケーションを発表し、欧州委員会が以下を実施することを示した。

・2007年にRFID利害関係者グループを創設し、RFIDのアプリケーションに関する欧州政策決定過程において、欧州委員会に対する助言や支援を受ける。

・EUの電気通信関連規則の見直しの一環として、2007年の半ばまでに、RFIDのアプリケーションを勘案したeプライバシー指令の改正案を示す。

・2007年末までに、加盟国および利害関係者に向けて、RFIDタグのデータの安全性とプライバシーの扱い方に関する勧告を発表する。

・2008年の末までに、利害関係者グループと連携して、RFIDタグやその他の技術の経済的、社会的影響の分析を、特にプライバシー、信頼、ガバナンスに照準を当てた形で実行するとともに、政策における選択肢と、さらなる立法活動の必要性の評価につなげる。

また、当該コミュニケーションでは、RFID タグのさらなる発展や普及が、可能な限り安全に、プライバシーを尊重し、かつ効果的に進むよう、欧州委員会が必要と考える要素を強調している。これには、研究、革新、無線周波数の確保、標準化、環境および健康に関する問題を考慮することと、デジタル・アイデンティティの乱用からの確実な保護が含まれている。

詳細は、下記URLを参照。
http://ec.europa.eu/information_society/policy/rfid/
http://ec.europa.eu/information_society/events/cebit_07/rfid/

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