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アイログ/アイログ製品導入、ダノンが製造とサプライチェーンの運用効率を改善

2007年06月07日/SCM・経営

アイログ社は6月5日、乳製品とミネラルウォーター製造などを手掛けるダノングループが、同社最大級の乳製品工場であるメキシコのイラプアト工場に「ILOG Plant PowerOps」を導入したと発表した。

ILOG PPOの導入により、同工場では精度にバラつきのあった従来の週間生産計画から、日間計画による高精度なスケジュール作成に移行、生産スループットと顧客サービスの向上、廃棄物の削減、貯蔵期間の管理精度を最大化することに成功した、としている。

ダノンは食品、飲料分野で世界最大企業のひとつとして8万8000人の社員が在籍、2006年度の売上は全世界で140億ユーロ(185億ドル)に達している。

売上の約56%は乳製品事業によるもので、同事業関連の工場を全世界に40以上展開、アルゼンチン、メキシコ、ロシア、トルコを含む多くの主要な新興市場で成長率が20%を越えた。

ダノンでは従来、乳製品製造でのプランニングとスケジューリング業務は内製のアプリケーションと市販アプリケーションを組み合わせながら実行していたが、乳製品事業の複雑な仕組みを適切に管理することが困難だったという。

乳製品工場では一般的に10種類の中間製品を製造し、これらを利用して15~25のパッケージラインで120種類の最終製品を製造。調理、低温殺菌、発酵、保存の各工程間では、加工処理のために100に及ぶ貯槽が使用される場合があり、これらの工程では高水準の清潔度を始め、アレルギー物質の把握管理、生産バッチのトレーサビリティ、製品鮮度を確保するために、細心の注意を払う必要がある。

工場では、生原料(生乳、粉乳類、酵母など)を中間製品に加工する工程と、充填・パッケージを行うライン上で最終製品を製造する工程の2種類に分けられる製造プロセスを密接に組み合わせる必要があり、中間製品は適切な生産量をスケジュールしなければならない。また、規定の洗浄作業が必須であると同時に、ラインの停止時間を最小に抑えることが求められていた。

これまでダノンが利用していたシステムは、中間製品と最終製品の製造を統合したスケジュールを作成できず、生産計画を最適に組み合わせることもできなかった。また、生産計画担当者は不適切なソリューションを積極的に採用するよりも、マイクロソフト Excelの表計算機能を使い続けていた。

ダノンではILOG PPOを利用してSAP APOを拡張し、社員の作成したおおまかなスケジューリング・システムを廃止して、高精度なスケジュールを作成するシステムに移行。

結果として、それまでは完璧とは言えない最適計画を作成するのに2日かかっていたものが、15分以内に精密なスケジュールを作成できるようになったという。

ILOG PPOは製造部門とサプライチェーン部門の業務連携ツールとしても利用されており、これらの事業部門が在庫水準と操業効率の最適なバランスを見出すことが容易になり、現在では関係者全員が、計画にはない需要変動が起こった場合に製造工程に及ぼす影響を把握できるほか、製造現場での運用判断が在庫水準と指定期日納品率に及ぼす影響についてもわかるようになった、としている。

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