川崎汽船／海事技術者育成へ、フィリピンに研修所開設

川崎汽船は2月22日、フィリピンのパサイ市に海事技術者を育成する「Kライン・マリタイム・アカデミー」を開設した。
国籍に関わらず、川崎汽船グループの海事技術者を育成するというコンセプトのもと、グループ内で統一された訓練基準に沿って研修を実施する。
船長、航海士については、新たに設置した操船シミュレータを用いて船舶輻輳海域や狭水道での衝突、座礁事故防止訓練の実施と安全の徹底を図り、LNG荷役シミュレータなどを用いて国際的な船員訓練基準を満たしたLNG船研修を実施するなど、危険物貨物の安全で効率的な荷役の徹底を目指す。
機関長、機関士には、主機ピストンやシリンダー開放整備作業が行える2気筒の主機実機の研修設備を設置するとともに、フルミッションタイプのエンジンルームシミュレータの導入により、機関操作の基礎から様々なトラブル対応などの応用までを学べる体制を整えた。
このほか、乗船中に実際に使用する機器類を用いた技能研修、ストレスマネジメント研修、チームワーク研修などを実施する。
さらに、最新研修機器の拡充に加えて、110人収容の宿泊設備、食堂を兼ね備え、長期の研修にも対応できる体制を整えた。年間延べ1万人の研修生を受け入れる計画。最新の医療機器を備えたクリニックも併設しており、グループ管理船に乗り込むフィリピン人船員の健康管理を一元的に行なう体制とした。