出光興産／物流コスト削減へ、タンカーにガソリン5万トン満載

出光興産は3月3日、ガソリン基材をアジア向けに5万kl輸出すると発表した。積載量5万t級タンカーにガソリンを自社で満載して輸出するのは、同社として初めて。3月初旬に北海道製油所で3万5000kl、千葉製油所で1万5000klを積む。
これまでガソリン輸出用の設備が不足していたため、ガソリンを輸出する際、積荷の一部として販売し、買い手が他社品と積み合わせをしていた。このほど北海道製油所で容量4万klの灯油用タンクを3基ガソリン兼用に切り替え、1億1000万円を投じて、タンクごとにガソリン用の配管を敷設することで、5万t級タンカーに満載が可能となった。
満載で輸出することにより、積み合わせの際に生じるタンカーの運賃コストを削減できるほか、国内外の需要と価格動向に合わせて、機動的に輸出することができると説明している。
現在、出光興産の4製油所の合計輸出能力は、ガソリン・灯油・ジェット燃料・軽油合わせて年間100万kl。石油製品の需要減退を踏まえ、9月までに千葉、愛知製油所合わせて10億円を投じて設備を改造し、輸出能力を3倍増となる年間300万klに増強する。輸出能力の増強に伴い、2008年度石油製品の輸出量は、2007年度と比べて3割増となる約130万klの計画。