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公取委、国交省/トラック運送業に緊急措置発動、燃料サーチャージ制導入

2008年03月05日/3PL・物流企業

国土交通省と公正取引委員会は3月4日、軽油価格の高騰で経営環境が悪化しているトラック運送業に対し、燃料サーチャージ制の導入、独禁法・下請法違反の取り締まり強化を柱とする緊急措置を発表した。
軽油価格の急激な高騰により「トラック産業は大幅なコスト増を余儀なくされているが、トラック運送業者は荷主等に対し運賃交渉力が弱い」ことを踏まえ、放置し適切な運賃転嫁が進まない場合は「我が国の物流基盤が維持出来なくなるおそれがある」として、2月20日の閣僚による申し合わせに基く緊急措置を講じるもの。
燃料サーチャージ制について、政府が緊急ガイドラインを作成・周知し、中央・地方の経済団体などに対しては、政府として導入を強く働き掛ける。一方でトラック運送業者、特に下請事業者に、政府として導入を強く働き掛ける。
国交省では、燃料サーチャージ制の導入により貨物自動車運送事業法に基づく適正な運営を確保するため、トラック運送業者に対する事情聴取・調査を通じ、必要に応じて同法に基づき立入検査を実施する。これらの措置は「現下の異常な軽油価格の高騰時」に試行的に講じるもの。
公正取引委員会では、運賃などの料金改定交渉を巡る不当行為を含め、荷主による独占禁止法(物流特殊指定)違反行為に対する監視を強化するなど、独占禁止法と下請法の厳正な運用に努める。
具体的には、荷主による独占禁止法(物流特殊指定)違反行為に対する監視を強化するため、物流事業者約3万社を対象とした特別の調査を実施。新たに設置した「物流調査タスクフォース」により、物流事業分野での荷主と元請間の取引、下請取引の不当行為に対する調査を効率的、効果的に行う。
また、運賃の健全性を確保するため、原価計算に基づく運賃設定を徹底し「買いたたき」や不当競争につながるおそれがある取引の防止を図るため、貨物自動車運送事業法による事業改善命令の運用拡大を行う。
これらの取り組みなど適正な取引を荷主、元請事業者、下請事業者などと行政が協働して効果的に推進するため、関係者によるパートナーシップ会議を設置する。
安全運行を阻害する行為の防止策としては、過労運転、速度超過などの再発防止を徹底するため、貨物自動車運送事業法に基き、荷主が必要な措置を講じるべきことを勧告する荷主勧告制度を積極的に活用するとともに、荷主との協働による安全運行パートナーシップの先進的な取組に対し、行政による支援策などを講じる。
また、激しい競争状態にあるトラック運送業界で「正直者が損をしない」健全な競争環境を整備する必要がある、として、既存のトラック運送業者に対し、①社会保険等の未加入②保有車両が最低車両台数に満たない減車――などに関する貨物自動車運送事業法上の処分を強化するとともに、最低車両台数の適正規模について検証を行う。
新規のトラック運送業者に対しては、許可時に社会保険に確実に加入させるとともに、トラック運送業者本人に関連法規に関する知識について試験を実施する制度を創設する。
燃料サーチャージ制の導入、トラック運送業における下請事業者・荷主取引の適正化を推進するため、地方運輸局にトラック運送業者からの相談窓口を設置する。地方運輸局は、下請法などの違反行為の監視の強化に関し、公正取引委員会地方事務所と密接に連携する。

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