三井住友建設は6月9日、保管する物品を地震被害から守ることのできる免震構造の物流倉庫向けに、短工期・低コストで耐震架構を構築できる「スタックブレース工法(プレキャストコンクリートによる圧縮抵抗型ブレース工法)」を開発したと発表した。
三井住友建設では、主に大規模物流施設の架構形式として、ミック構法(柱をRC造、梁をS造とする混合構造)を中心とした高生産性構工法を多数適用している。近年では、多様化する顧客ニーズに応えるために、ミック構法を免震化した新しい架構形式の適用を進めていたが、高騰する鉄骨価格の影響で、建設コストが上昇するという経済的な問題を抱えていた。
スタックブレース工法は、免震物流倉庫向けの耐震要素として、プレキャストのRCブレースを使用する工法で、圧縮力のみに抵抗することを特徴とし、引張力に抵抗する必要のないことからブレース端部の接合ディテールはモルタル充填のみで、シンプルで効率的に施工できる。三井住友建設は、2005年から07年にかけて、スタックブレース工法に関する性能実験を行い、施工性や構造性能を検証した。
従来の鉄骨ブレースと比べて、材料費が安いほかにブレース端部のディテールがシンプルであるため、プレキャスト部材の製作や取付けが容易で施工性に優れている。また、従来のRC耐震壁と比べて、プレキャスト化が容易で軽量なため、現場の施工では鉄骨ブレースと同様な運搬・揚重・建て方が可能で、工期短縮に寄与する。周辺架構もプレキャスト化することで、鉄骨建て方と同様な施工が可能となり、建物全体の工期を更に短縮することも可能。
三井住友建設では今後、ミック構法やRC架構を免震化した架構形式でスタックブレース工法の採用を推進し、短工期、低コストの耐震架構を提供していく、としている。
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三井住友建設/免震物流施設向け新工法を開発
2008年06月10日/物流施設
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