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JILS/物流コスト調査、売上高に対する物流コスト比率4.84%

2008年07月01日/調査・統計

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は6月30日、2007年度物流コスト調査報告書を発表した。

なお、大阪(7月11日)、福岡(7月16日)、名古屋(7月17日)で公開研究会を開催する。
詳細、申込みは下記URLを参照。
http://www.logistics.or.jp/member/open/pdf/08cost.pdf

調査は、経済産業省の「物流コスト算定活用マニュアル」に準拠して物流コストの実態把握を行うとともに、文献調査や日米比較など、多面的な調査により日本の物流コストに関する総合的な基礎データを蓄積することを目的として実施したもので、2007年9月から2008年3月にかけ、荷主企業220件(前回220件)のアンケート回答調査、文献調査などを実施し、整理・集計・分析した。

売上高に対する物流コスト比率は、全業種4.84%(前回5.01%)で、製造業4.79%(4.79%)、非製造業5.00%(5.28%)、卸売業4.96%(6.55%)、小売業5.28%(4.39%)となった。

製造業での小分類では、「食品(要冷)」の売上高物流コスト比率が最も高く9.10%で、卸売業は「卸売業(繊維衣料品系)」の7.39%、小売業では「小売業(通販)」の12.39%が最も高い値を示している。

<売上高物流コスト比率(業種小分類別)表>

物流コスト比率と物流コストの構成比の推移は、売上高物流コスト比率は2006年度に上昇に転じたものの、2007年度調査では再び比率が低下している。物流機能別では、輸送費58.2%(57.4%)、保管費16.3%(17.5%)、その他25.5%(25.1%)。

支払形態別構成比では支払い物流費(対専業者支払い分)65.5%(63.6%)、支払い物流費(対物流子会社)17.0%(17.5%)、自家物流費17.5%(19.0%)となっている。

領域別では、販売物流費が71.2%(74.7%)、社内物流費20.2%(18.0%)、調達物流費8.6%(7.3%)。

また、リバース物流コストの比率は3.23%(3.16%)で、領域別にみると、返品・返送物流費1.21%(1.36%)、回収物流費1.11%(1.15%)、リサイクル物流費0.36%(0.25%)、廃棄物流費0.56%(0.40%)。

1999年度から2007年度の推移をみると、物流コストに占めるリバース物流コストの割合は、概ね3.0%~4.0%の間で推移し、物流機能別の構成比では、輸送費の割合が高くなっている。

日本とアメリカの売上高物流コスト比率の比較では、1994年以降、アメリカが日本より高く推移している。2006年から2007年の傾向をみると、アメリカは8.79%から9.74%に上昇した。日本は、前年度から減少に転じた。

日本の数値は、「物流コスト実態調査」の全業種における売上高物流コスト比率を採用し、アメリカは「Logistics Cost and Service(Establish,Inc./Herbert W.Davis and Company)」を参照しており、この報告にある「Total Logistics Costs」の数値を採用している。

マクロ物流コストの推計は、2005年度の日本のマクロ物流コストは42.1兆円、2005年のアメリカのマクロ物流コストは約1兆18百億ドル。

なお、物流コスト削減策の実施状況(過去1年間に各コスト削減策を実施した企業数)は200社で、回答の多い項目は「積載率の向上」、「在庫水準の削減」、「保管の効率化」など。

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