北京市交通情報センター(以下:BTIC)と日産自動車は7月22日、北京市の交通渋滞・環境改善を目的とした「STARWINGS:スターウイングス(中国名:星翼)プロジェクト」の第一段階として、渋滞回避ルート情報を提供する車載ナビゲーションの実用化を開始したと発表した。
システムは、北京市内で、BTICの持つ世界最高密度のプローブカー交通情報システムが生成するリアルタイム交通情報にもとづくもので、同機能を持つ車載ナビゲーションの実用化は中国初。
あわせて、両者は同機能を付加した簡易型ナビゲーション(PND)を、北京市内のタクシー200台に2ヶ月間搭載し、お客さまのニーズにより適合するために交通情報の使われ方をモニターし、PNDは北京五輪期間中にスタッフ用車両にも使われる。
BTICと日産は本プロジェクトによる渋滞改善、CO2削減など社会的効果を検証するプログラムを北京工業大学、広島大学と共同で完了させる。
プログラムは、北京市における交通情報の有無によるドライバーのルート選択行動をモデル化し、交通流シミュレーションに組み込み、普及することで見込まれる社会的効果を検証した。
その結果、北京市の全車両に「STARWINGS(リアルタイム交通情報に基づいたルート案内機能付)」対応型ナビゲーションが約30%普及した場合の目的地到達までの走行時間は最大16%短縮し、CO2は最大27%削減されると試算された。