山形県は、山形県自動車産業物流活性化戦略案（仮称）をまとめた。荒木副知事を本部長とする、有識者などで構成する山形県自動車産業物流活性化推進会議が策定したもの。
戦略案では、県を含む東北エリア一帯の自動車産業の集積、ロシア・中国などの日本海沿岸を輸出港にできる国の経済状況が好調なことなどを紹介。一方で課題として、県の自動車産業誘致が不十分なこと、県内の自動車道や酒田港(酒田市)などの輸出用インフラの整備を促進する必要があることなどを挙げている。
この点を踏まえ、戦略案では自動車関連産業と対外貿易の振興を計画の柱と位置づけ、酒田港の日本海沿岸の一大物流拠点として育成することを提言。2013年までの短期スパンでは、自動車関連産業の進出支援や酒田港使用の優遇措置、物流情報の提供体制などを固める。
また、取引事例の積み上げ、対岸貿易の契機作りにも務める。2019年以降の長期スパンでは、酒田港や国道を中心とする物流インフラの強化・充実化、戦略的ポートセールスの展開などを掲げている。
このため、国、県共同で国道などの急カーブ・幅員狭小路の安全対策や陸羽東西線の貨物利用の検討、酒田港の岸壁改良や大型船舶の対応化などを図っていく。更にガントリークレーン設置なども行い、荷さばき量の増大に対応できる物流体制構築を目指す。
