LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

日本IBM/サプライチェーンでCO2排出量削減ソリューション発表

2009年02月17日/IT・機器

日本アイ・ビー・エム(IBM)とアイ・ビー・エム ビジネスコンサルティングサービス(IBCS)は2月16日、サプライチェーンでのCO2排出量削減を目指す「Green SCM(グリーン・サプライチェーン・マネジメント)ロジスティクス ソリューション群」を発表した。

工場や倉庫の拠点配置、集荷・配送などの輸送計画をCO2削減の観点で最適化する。IBCSはことし1月にGreen SCM専任のチームを立ち上げて事業化を整えている。

Green SCMロジスティクス ソリューション群には、Green SCM CO2最適輸送ソリューション群とGreen SCM CO2最適サプライチェーン・ネットワーク設計ソリューション群の2種類がある。

Green SCM CO2最適輸送ソリューション群は、ユーザー独自の環境へのシステム導入のほか、シミュレーション実施だけのサービスとしても提供する。一方、Green SCM CO2最適サプライチェーン・ネットワーク設計ソリューション群は、主にコンサルティング・サービスとして提供する。今後は、Green SCMソリューションとして、順次、Green PLM(Product Lifecycle Management)やGreen Procurementの分野で、ソリューションの拡充を図る計画だ。

Green SCM CO2最適輸配送ソリューション群は、Green MSTP(Green Modal-Shift Transportation Planner)とGreen VRP(Green Vehicle Routing Planner)で構成される。

Green MSTPは、複数の物流拠点を経由する拠点間幹線輸送について、各種運送便の運行ダイヤや荷物の納期を考慮して、モーダルシフトや輸送などで経路を最適化することによってCO2排出コストを含む総コスト削減を計画する。日本IBMの東京基礎研究所で開発した高性能の最適化アルゴリズムを使用。

Green VRPは、物流拠点から集配送先への地域内配送について、デジタル化された道路地図の情報を基に、配送・集荷・時間枠・車種などの条件を反映させ、日本IBM東京基礎研究所が開発した独自のアルゴリズムによってCO2排出量を最小化する最適ルートを短時間で計画する。オーダー単位で輸配送を管理できるため、混載時でも荷主別・オーダー別でのCO2排出量の算出が可能だ。

Green SCM CO2最適サプライチェーン・ネットワーク設計ソリューション群については、Green WLP(Warehouse Location Planner )、Green SNOW(Green Supply Network Optimization Workbench)、CTM(Carbon Trade-off Modeler)で構成。

Green WLPは、倉庫や工場の新規設置や統廃合時に、輸送費と拠点の固定費・変動費を最小にする拠点数と位置の決定を、IBM東京基礎研究所の最適化アルゴリズムを活用して支援する。輸送に関するCO2排出と倉庫での電力消費などCO2排出を最適化の条件とすることで、CO2排出を考慮に入れた最適な拠点配置を実現する。

Green SNOWは、原材料調達から顧客配送までのサプライチェーン全体の最適化を行うソリューション。グローバルなサプライチェーン上のサプライヤー、製造拠点、物流センターの配置や輸送経路を最適設計することが可能だ。コスト・リードタイムに加えてCO2排出コストも考慮し、今後のCO2排出単価動向のシナリオにあわせたサプライチェーン設計を行う。

CTMは、調達と流通の観点でこれらのトレードオフを分析・検証し、コストとCO2のバランスを図る。燃料選択や車両選択、輸送モード選択、輸送頻度、混載のあり方、発地着地などについて、最善のアクションについての意思決定を支援する。

IBMは2008年、新ビジョン「Smarter Planet」を打ち出した。より賢く進化した社会の実現を目指し、地球規模の新しい進化を実現していくのが主旨。「Smarter Planet」は、ITインフラが支えていくことで、ユーザーの事業のほか、交通、環境・エネルギー、医療といった社会に関わるさまざまな課題を解決する目的を持つ。IBMは、Green SCMソリューション群をSmarter Planet実現のための重要な要素と位置づけているという。

関連記事

CSRに関する最新ニュース

最新ニュース