ITインフラのソリューション・ディストリビュータ、ネットワールドは5月11日、菱中海陸運輸の物流業務の基幹システム「輸送システム」再構築プロジェクトで「VMware Infrastructure 3(VMware)」が採用され、本格稼動を開始したと発表した。
再開発をしなければ新しいプラットフォームに移行できないWindows NT/Windows 2000アプリケーションを、仮想テクノロジを利用してそのまま最新のサーバに移行することで、費用を1/10に削減。VMwareの各種機能を活用することにより、可用性・信頼性、運用効率も向上した。
システムの構築・サポートは、ネットワールド、菱中海陸運輸のITパートナーのリコーテクノシステムズとリコー北海道が担当した。
「輸送システム」は、受注業務からトレーラーシャーシの配車、運行計画立案などの物流業務を担い、請求・支払業務、会計業務、業績管理などと連携するミッションクリティカルな基幹システム。2002年にWindows NT / 2000サーバで構築され、全国17か所の拠点での業務の全社標準化や効率化に貢献している。
同サーバ群が保守期限切れを迎えるため、システム刷新を検討したところ、Windows NT / 2000のアプリケーションを新サーバに移行できないことから、再開発には数億円のコストがかかることが判明。そこで、旧OSのアプリケーションも、そのまま移行可能なVMwareによる仮想化ソリューションに着目。アプリケーションの一部をVMware環境に移行して評価・検証を行い、物理環境上とまったく同様に稼働することを確認したうえで本格導入に踏み切った。
現行システムをそのまま仮想環境上で動作させるため、移行コストを約十分の一に抑制。従来は7台のサーバで構成されていたシステムが3台のサーバに移行され、設置スペースも3ラックから二分の一ラックに縮小された。プラットフォームが刷新されたことでシステムのレスポンスも向上。
VMwareが備える「VMware HA」などの機能を活用することで信頼性と可用性が向上した。VMwareは、システム全体の集中管理が可能で、サーバのリブート操作などもリモートから容易に行うことができるため運用負担が大幅に軽減された。
菱中海陸運輸は、VMwareによる輸送システムのマイグレーションの成功に続き、取引先とのデータ連携など、今後のIT化推進による業務改善を行うにあたり、VMwareによる仮想化テクノロジを積極的に活用していく意向。ネットワールドは、8年以上にわたり、5000社以上の国内顧客に導入・サポートしてきた実績に裏付けされたノウハウを基に、TCO削減と高可用性・早期復旧を実現するVMwareの仮想化技術と、ソリューションの提案に今後も取り組む考えだ。
導入構成イメージ図は下記URLを参照。
http://www.networld.co.jp/news/press2009/0511.htm