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日通総研/東シベリア地域の物流動向を調査

2009年05月28日/調査・統計

日通総合研究所は5月28日、東シベリア地域の交通・物流動向を調査したロジスティクスレポートを発表した。

調査によると、ロシア全体の貨物輸送量(2004年実績)はトンキロベースでパイプライン、鉄道、水運、自動車の順に多く、自動車輸送(280億トンキロ)は増加傾向にあるものの、道路の未整備などであまり使用されていないという。

鉄道輸送の代表的なインフラは、モスクワ~ウラジオストックの約9300kmを結び、全線が複線・電化で整備されているシベリア鉄道。運行列車の約80%は貨物列車で、1日当たりタンク車1000両、無蓋車1000両、石炭車700両、有蓋車200両、自動車輸送車100両が運行している。その他にISO20フィート・40フィートコンテナを積載したコンテナ専用列車(ブロックトレインは除く)が1日1便運行している。

最大貨物重量は70t/両、列車は72両編成で、総重量は6000t/列車となる(日本では最大1300t/列車)。貨車の平均速度は50km/時r、最高速度は90km/時で、コンテナ列車は1日平均で1000km走行する。ロシア政府は飽和状態解消のため、第3シベリア鉄道の着工に乗り出す模様。

自動車輸送は大型トラックによる輸送が主流。荷台寸法はISO40フィートコンテナとほぼ同等で、積載重量は約20t。貨物の申請届出不要の最大許容量は、寸法4.2m×16.5m×3.0m、重量21.5t。大型トラックの運賃は距離制運行払いが一般的で、2007年の相場運賃は、貨物積載時が1.0ユーロ/t・km、空車回送時が1.0ドル/t・kmで、通常は往復分の運賃を支払う。

この地域は資源輸送が盛んなため、バン型トラックよりも資機材や木材を運搬する平ボディトラックや石油タンクローリーが非常に多いという特徴がある。

空輸ではヘリコプターが主に使用されている。国土が広く空き地も多いため、ヘリ輸送は頻繁に行われ、2機種が主に使用されている。小型のミルMI-8型機は、外吊り3tあるいは内部搭載量4t、料金は1時間当たり6万ルーブルで、大型機ミルMI-26型機は内部搭載量20t、料金は12万ルーブル。

物流インフラでは、消費財などの一般貨物は、国内の工場から全量が直接消費場所(販売店)へ輸送され、流通上に在庫する貨物がほとんど存在しない。これは日本のような効率的な物流ではなく、単に生産したら次の場所へ送る単純な物流のためである。

そのため物流倉庫の必要性は現時点ではない。わずかな保管施設としては船舶・鉄道・トラック間の積替場所(港や駅)で一時保管場として設置されているが、大半はヤードあり、建物がある場合でも工場跡やコンテナを積上げた簡易施設となる。

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