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コープネット事業連合/印西冷凍センターが稼動

2009年06月19日/物流施設

コープネット事業連合(埼玉県さいたま市)が千葉県印西市に建設していた「印西冷凍センター」が5月30日に竣工し、稼動を開始した。

建屋とパレット自動倉庫は新日鉄エンジニアリング、その他の物流システムはオークラ輸送機が設計・施工を担当した。新日鉄エンジニアリングにはこれが2件目の生協関連の受注実績となる。印西冷凍センターの敷地面積は3万2885.69㎡、建築面積は1万2642.54㎡。延床面積は3万1847.90㎡で、鉄骨造の3階構造。従来の生協関連施設の270商品から能力が増強され、約350商品の取り扱いが可能となっている。

<完成した印西冷凍センター>
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<入庫エリア>
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センターの総事業費は100億円超。入荷・出荷口は幹線道路を避ける形で北側に設けられ、1階のケース自動倉庫は1万1200ケースの収納が可能。また、2階に位置する補充冷凍庫・ピッキングフローラックのセットラインにはロボットを使用しており、現在6ライン体制で稼動している。将来的にラインを追加し7ラインに増設できる設計となっている。2階から1階へ搬送するパレットピッキングラインは11か所のピッキングラインから3000ケース/時×2ラインの処理能力を持つ。

<ロボット積み付けシステムのハンドリングロボット>
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これらの集品ラインは「ピカトル1集品システム」としてシステム化されており、ピッキングや袋とじ、出荷ラベル貼付といった作業はほぼ全自動化されている。このほか、温度差が生じる部屋、エリアとの間には低高温による温度の壁を設け結露を防止し、最上階の3階には低音用氷蓄熱システムを導入し夜間の安価な電力を効率的に利用できるようにした。同センターはさいたま、ちば、いばらきの各コープを出荷テリトリーとしている。

建設に当たっては、事業伸長に応じた処理能力確保や会員相互乗り入れの拡大・合理化などのグループマネジメント強化、取り扱い品目数拡大や集品ミス削減などの組合員の満足度向上、要冷蔵ラインの運用見直しや拠点数削減などのトータルコスト削減を主眼に総合的な物流レベル向上を目指して建設された。

要冷蔵ラインの運用見直しでは、「従来は冷凍・冷蔵品を同一拠点で管理しており、管理基準がそれぞれ異なるため、十分な管理体制の確立が課題としてあった。今回は4年越しの案件で処理工程ごとの品温管理強化も狙った」(下野司・コープデリ宅配事業本部物流担当部長)点が主な設計コンセプトとなっている。

このため、物流システムの設計施工では3社の提案内容を比較検討し、省力化、品温管理、新しい着眼点による可能性、将来的な拡張性などを評価項目として評価・決定した。今回の同センター稼動と並行して、各拠点の業務終了と機能見直しが進められ、品目の保管温度に沿った機能の特化などを進める。冷凍センターは現行の7拠点から5拠点に、冷蔵センターは7拠点から6拠点体制となる見通し。

<雨水再利用システム>
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■コープネット印西冷凍センターの概要
所在地:千葉県印西市松崎台1-1-1 松崎工業団地内
TEL0476-47-7500
敷地面積:3万2885.69㎡
建築面積:1万2642.54㎡
延床面積:3万1847.90㎡
冷凍庫:4903.33㎡
冷蔵エリア:1万3568.13㎡

各ラインの処理能力
LPS補充ライン:3000ケース/時×2ライン
パレットピッキングライン:3000ケース/時×2ライン
ケース自動倉庫 出庫ライン:3000ケース/時×2ライン
入庫ライン:3000ケース/時×2ライン
端数仕分けライン:5ライン 1500ケース/時

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