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DHL/アジアなどの新興市場が2028年までに国際貿易市場の約40%を構成

2009年11月17日/調査・統計

DHLは11月13日、シンガポールで開催されたアジア太平洋経済協力会議の最高経営責任者(CEO)サミットで発表した、国際貿易に関する調査結果の概要を発表した。

この調査結果によると、高い成長率のアジアを中心に、アジア域内、中東-アフリカ-アジア、ラテンアメリカ-アジアの3つの貿易トライアングルが2028年までに国際貿易の約40%を占め、世界経済を形成すると予測されている。

同サミットに出席したヘルマン・ウデDHL Global Forwarding, Freight CEOは「アジアの経済圏、特に中国とインドは引き続き貿易の中核を担うと考えられる。今回特定された3つの貿易トライアングルの中で、中国の原材料の輸入、機械、繊維など各種工業製品の輸出が貿易量の大半を占める」と述べた。また、「1999年の世界のロジスティクス市場では、アジアの割合は全体の34%に相当する155億7000万ドルだったが、2008年までに46%、3390億ドルと世界市場の約半分に拡大する」とした。

DHLは3つの貿易トライアングルのそれぞれに中心となるトレードレーンを特定した。アジア域内では、全体の約40%は中国に関するもので、中国への原材料の輸入や繊維、工業機器、食料品の輸出などが牽引する見通し。中国の対日本など他のアジア諸国との貿易が貿易量の大半を占めると予想されている。一方、中東-アフリカ-アジアの成長トライアングル域内の貿易の大半は、中東からアジア諸国に輸出される原油とガスが占めており、これらのトレードレーンの成長率は停滞している。同トライアングル域内の貿易成長は、中国の南アフリカ、サウジアラビア向けなど、原油や鉄などの原材料輸入と繊維、衣料、機械などの輸出に牽引される。

インドも貿易成長に貢献しており、主要な輸入品目は中東からの原油と南アフリカからの石炭などで、主要な輸出品目は中東向けの各種食料品と繊維。ラテンアメリカ-アジアの貿易も2008年-2018年には、4.2%の伸びとなり、3つの成長トライアングルの中で最も急速に成長するものと見られる。また中国とラテン・アメリカ間の主要なトレードレーンは同期間に5%の伸びが予想される。

アジアが中心の新興市場の台頭と世界経済を形成する上で果たす役割は、日本を除くアジア経済圏のグローバルGDPシェアが2015年に20%に達するというグローバル化、生産性の向上で安価な労働力の供給の継続、世界人口の労働年齢層の58%はアジアが占め、新興経済圏で2015年までに年間所得が4000ドルを超える者は5億5000万人以上とされる、労働・消費力の地域シフトなどの特徴があるとされている。

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