LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

新刊紹介/「生産マネジメント概論技術編」

2009年12月01日/未分類

トヨタ生産方式などの国内で確立された生産管理のスタイルは、生産技術同様に世界中でその地位を確立した感がある。しかし、一口に生産管理と言ってもオペレーションの最適化を目指す狭義の生産管理と、全社的な視点で考える広義の生産管理がある。同書は、工程管理、生産計画、資材在庫管理などの生産現場のオペレーション最適化を主眼に、生産管理の基本機能を全12章の構成で平易な表現で解説している。巻末ではトヨタ生産方式も1章を設けて解説している。

第1章は生産管理における需要予測など需要予測一般について解説。生産設備の拡張や既存設備での品目ごとの月次生産計画の決定など、需要予測の必要性から入り、デルファイ法、算術平均法など需要予測の代表的な6手法を紹介。商品が季節変動に影響されやすい製品の場合、季節指数を用いて実績値を修正する手法も掲載されている。

第5章・第6章は物流分野の解説で、第5章は「発注と在庫の管理」、第6章は「運搬管理と輸送計画」をそれぞれ詳述している。発注と在庫の管理では、在庫の定義となぜ在庫が発生するのかを解説し、在庫管理は「単なる管理方式の利用テクニックだけでなく、組織的要素こそが重要」としている。その一方で、「サプライチェーンを効率的に運用できるかが企業の競争力に大きく影響するが、最適な運用は一般に難しい」と述べている。

運搬管理と輸送計画は工場内の運搬から解説し、施設内または施設間の物流を改善する手法として重力利用、スペース活用などの改善のための基本原則を紹介。また企業間物流の解説では、導入が進むミルクラン方式やトヨタ自動車で行われている、全社的な連携で弾力的に先行生産・減産を行い受注~納車の期間を短縮する取組「カスタマー・イン」を紹介している。なお、各章の最後には演習問題が設けられ、その章で学んだことを反復学習するのに有効なコーナーとなっている。

文眞堂ブックス
大場允晶・藤川裕晃編著
定価:本体2500円+税

関連記事

未分類に関する最新ニュース

最新ニュース