三井物産と住友商事は3月30日、海外からの肥料原料輸入ビジネスにおいて業務提携することで合意した。
提携によって、海外肥料原料の輸入に際しての共同配船や、国内物流などで協業し、オペレーションの効率化を図り、今後は、競争力のある肥料原料の確保に加え、国内肥料メーカーや問屋への販売を強化していく。
肥料は窒素、リン酸、カリの3要素を主原料としており、大半は天然資源由来で主産地が偏在している。中長期的には人口の増加にともない、世界の肥料需要は増加していくと見込まれ、肥料原料の国際価格も上昇していくと2社は見ている。
日本国内では、農産物価格の低迷や、後継者難にともなう田畑などの作付面積減少により肥料需要が低下傾向にあり、予想される肥料原料価格の上昇を吸収する可能性は低い。今後は「より競争力のある肥料原料の安定確保と供給」という、総合商社にとってのコア・コンピタンスの強化が国内肥料業界のニーズとなる。
両社は、購買力やノウハウを融合して、市場のニーズに迅速に対応する協業関係を構築することに合意した。