「生産マネジメント概略 戦略編」が文眞堂から刊行された。編者は、大場允晶日大教授と藤川裕晃東京理科大教授。
執筆者は両名を含めて、それぞれのエキスパート10人が務めた。
編者は、「特に訴えたいのは企業経営の場面で起こっている地殻変動である。それは、コラボレーション(情報開示~協業~規制遵守)ということである。象徴的なのが、サプライチェーン・マネジメントであり、環境問題でもある」と記している。
同書では、締めくくりとなる最後の2章にその考えを反映させている。第11章は「環境問題と生産管理」であり、第12章は「サプライチェーン・マネジメント」をテーマに据えた。
第11章の「環境問題と生産管理」には、CO2削減問題として、環境物流とCO2の見える化(カーボンオフセットプリント)を取り上げる一方、3R(リデュース、リユース、リサイクル)問題の枠組みのなかで静脈物流(リバースロジスティクス、クローズドループSCM)などを解説している。
第12章の「サプライチェーンマネジメント」では、SCMにおける問題点・経営戦術・成功事例を説明したうえで、SCMのオペレーションとして、需要マネジメント、供給マネジメント、S&OP(販売と操業計画)、需給マネジメント、パートナーシップの構築をテーマに取り上げている。また、SCMの評価として、SCMの理想型とSCOR(Supply Chain Operation Reference model)を解説している。
序章:製造業を巡る経営環境変化
第1章:生産マネジメントの概念
第2章:生産戦略および拠点戦略
第3章:作業者の管理とモチベーション
第4章:製品戦略とマーケティング
第5章:購買と外注(調達)
第6章:生産と納期の管理
第7章:原価管理
第8章:品質管理
第9章:設備管理と信頼性
第10章:生産情報システム
第11章:環境問題と生産管理
第12章:サプライチェーン・マネジメント
A5判 292頁
定価2625円(税込)
ISBN 978-4-8309-4672-1