日本郵船は6月24日、自動車専用船「エメラルドリーダー」にJFEエンジニアリングが開発した、バラスト水処理システム「JFEバラストエース」を搭載すると発表した。
「JFEバラストエース」は国産で初めて国土交通省の型式承認を受けて実用化されシステム。8月に行われる入渠工事に合わせて、ユニバーサル造船因島事業所で第一号機の同船への搭載が実現する。
日本郵船は、バラスト水管理条約の発効に先立ち、地球環境への配慮の一環として、バラスト水処理システムを船舶に搭載する検討を進めてきた。信頼性や、将来性などを総合的に判断し、日本郵船グループのMTIが実証試験段階から共同で携わった「JFEバラストエース」を、同船への搭載システムとして採用することを決めた。日本郵船が運航する船舶にバラスト水処理システムを搭載するのは今回が初めて。
「JFEバラストエース」は、海水フィルター、薬剤、ベンチュリー管の3機能をベストミックスし、バラスト水内の水生生物、菌類を処理する装置。処理の確実性、機器配置の容易性、船員・環境への高い安全性を低コストで実現する。また、小型機から単体で世界最大級の処理能力となる大型の3500?／ｈ機まで、豊富なラインナップをそろえ、すべての船舶に搭載が可能だ。
バラスト水は船舶がバランスを保つため保持する海水であり、通常荷揚港で船底のタンクに注水し、荷積港で排出される。バラスト水処理システムは、バラスト水とともに運ばれた海洋生物を処理し生態系を乱すことのないようにするシステム。
バラスト水管理条約が発効されれば、同条約に定める処理基準を満たすため、すべての外航商船にバラスト水処理システムの設置が義務付けられる。また、新造船・既存船の順に2017年1月にかけて順次規制対象が拡大される。
